紋次郎気質

1972年、一世を風靡した中村敦夫演じる木枯し紋次郎。笹沢氏が生み出した紋次郎とを比較しながら、紋次郎の魅力に迫ります。

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日々紋次郎「カツラをかぶる」

日々紋次郎「カツラをかぶる」

日々紋次郎「カツラをかぶる」

中村敦夫氏が紋次郎役を引き受けた理由の一つに「カツラ」がござんす。
市川監督と松前プロデューサーとの出会いの時の話でござんす。(市川監督が紋次郎をは中村敦夫だ!と、直感した喫茶店内で)

「その時、私たちがどんな会話を交わしたのか。ただ一つのことを除いてまったく覚えていない。その一つのこととは、なるべくリアルな時代劇を作りたいから、普通のカツラではなく、自毛を利用してやるという監督の言葉だった。
つまり、月代(頭頂部を剃った髪型)ではないということである。
これは私にとって魅力的だった。
さかやき型だと、羽二重を二枚も頭に巻き、パテを埋め込み、ドーランをベタベタ塗った挙句、網の部分にノリをつけなければならない。メイキャップに一時間かかるだけでなく、一日中頭部に圧迫感を持つことになる。私があまり時代劇の仕事が好きでなかった理由の一つは、このカツラ問題だった。
 ところが、〈紋次郎〉の場合は、カツラの部分だけを後頭部にはさみ(通称パチンコ)、その上から自毛をかぶせるだけでよい。生え際もリアルだし、圧迫感もない。おまけに、五分もあれば準備ができるのである、毎日のことを考えると、大きな違いだ。」
(中村氏著 「俳優人生」から抜粋)

この理由に、ナルホドと痛感した事態が最近あっしの身に起こりやした。

「カツラ」をかぶったんでござんす。

日々紋次郎「カツラをかぶる」

職場に地元の一座集団が参りやして、(素人衆でござんす)上演するにあたり一人助っ人が欲しいと……。
どういう訳かは存知やせんが、あっしに白羽の矢が当たりやした。文字通り、訳のわからねぇ内にあっしの頭の上にはカツラがかぶせられ、着物に着替えさせられ、メイキャップまでされ、「これが台詞ですのでヨロシク」と台本のコピーを渡され……。
全く予測できねえ事態に陥ってしまいやした。

なんと上演するのは「瞼の母」。やった~!!渡世人「番場の忠太郎」の話じゃありやせんか!!
あっしは忠太郎の妹という設定。上演する1時間前に立ち稽古をして、さて本番!
台詞はたったの5~6行でござんしたが、緊張いたしやしたねぇ。

実は高校時代、ちょいと演劇部に草鞋を脱いだことがござんしたが、時代劇は初めて。
ホント、あのカツラは重いモンでござんして、長時間つけておりやすと頭が締め付けられやす。
時代劇の大変さを垣間見た思いがいたしやす。

劇団の人に尋ねやすと、カツラは20万円以上するとのことで、結髪に出したりするとまたまた出費。
素人劇団といえど大変でござんす。京都の太秦で、手に入れなすったとのことでござんした。

さてあっしの出来でござんすが、なかなか良かったようで……職場の者は初め、ステージに立っているのがあっしだとは気づかなかったようでござんす。(劇団メンバーだと思っていたらしい)
劇団の方からも「良かったら、草鞋を脱がねぇかい?」と誘われやしたが、「二足草鞋を履けるほど、器用じゃねぇんで……」と丁重にお断りいたしやした。

まあ、お世辞がほとんどでござんすので、話半分で聞いておいてくだせぇ。

とにかく時代劇をやるということは、体力的にも金銭的にも時間的にも、困難ということでござんすねぇ。
滅多に経験できねぇひとときでござんした。

これにて、幕!
へい、御免なすって。

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Re: 日々紋次郎「カツラをかぶる」

がんばってください!

  • 20101118
  • dio ♦-
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Re: 日々紋次郎「カツラをかぶる」

dioさま、コメントをいただきありがとうございます。
これからも更新、がんばります!
また、おいでくださいね。

  • 20101118
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: 日々紋次郎「カツラをかぶる」

紋次郎のカツラ、気に掛けたことは無かったですけど、そういうことだったんですか。
紋次郎の前髪が短くなったり、松橋登の鳴神伊三郎が、長めの前髪を横に流していたのも、納得がいきます。
(でも「日光路」で金塊入れて、よくカツラが落ちなかったなあ)

紋次郎を見続けて鍛えた演技力を見たかったですね。
けど丁重にお断りされたんですか。
ではシナリオを改変し、「やっと会いに行った親に拒絶されて出て行き、修羅の道を走る忠太郎を呼び戻すため、木曽谷に落ちたのを助けられて杣人をやってる元渡世人にもう一度草鞋を履いてもらう」、というのにしたら気が変わりませんか?(笑)

  • 20101118
  • TOKI ♦nhNJg39g
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Re: 日々紋次郎「カツラをかぶる」

お夕さまに新たな一面、才能の発見ですね☆
これを機に劇団に草鞋を脱ぐ→女優デビュー→
敦夫様と共演…

夢は広がります。

自毛を利用した時代劇の髪型が
いかに自然かというのは『龍馬伝』で知りました。
紋次郎さんもそうだったのですね。

見る側にとっては不自然さが払拭されますし
演じる側のストレスの軽減されるしでいいシステムだと思います。

今回の写真も素敵です!

  • 20101119
  • ナラリーノ ♦SJMMuUIM
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Re: 日々紋次郎「カツラをかぶる」

TOKIさま、コメントをいただきありがとうございます。

紋次郎の印象は、前髪の長さで大分変わりますね。
私はどちらかというと、長めの前髪が額にかかる方が好きです。

「帰って来た番場の忠太郎」というタイトルでもいいかもしれません(笑)。

忠太郎は実在した渡世人ではありませんが、番場の宿に近いこともあり、親近感があります。

「瞼の母」だけあって、忠太郎は母親に思慕の念を抱きますが、そのあたりは紋次郎とは真逆ですね。報われないことについては同じでしょうが……。

去りゆく忠太郎に人知れず涙する母がいる……呼びとめようとする妹がいる……。
なぜ渡世人になってしまったのか、ならざるを得なかったのか……今だからいろいろ考えますが、舞台上ではパニクっていました。

その辺まで深く、演技できる女優になりたいです(嘘)。

  • 20101119
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: 日々紋次郎「カツラをかぶる」

ナラリーノさま、コメントをいただきありがとうございます。

そうでした!
その手がありました!
女優になって敦夫さんと共演……。

なぜそんな名案が、38年前に思いつかなかったのでしょう!?
今となっては、悔やまれます……。
(今からでも遅くはないでしょうか?)

  • 20101119
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: 日々紋次郎「カツラをかぶる」

へーっ、いつも読ませていただいて映画製作、舞台演出、脚本などなどの関連のお仕事なんじゃーないかと勝手に想像してました。

プロな人がこのブログ書きませんよね~。趣味にしては凄いなと思っていましたが、やはりセミプロなんですね!

「体力・金銭・時間」皆いるんですね。なんとなくわかるような気もします。だが、今回の体験で中村敦夫紋次郎の理解の一旦が増えたということはよかったですね。

かつらって花嫁さんくらいしか被る機会は少ないですよね。ああ、髪の少ない男性もいました、失礼!

Re: 日々紋次郎「カツラをかぶる」

小父貴さま、コメントをいただきありがとうございます。

「セミプロ?」
滅相もございません。全くのド素人ですので、お間違えいただきませんように……。

忘年会での寸劇脚本は、何度か書いたことがありますが、結局出演者のアドリブばかりで終わってしまうことが多いです(笑)。

カツラってかぶると別人になったような気がして、結構面白かったですよ。

  • 20101120
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: 日々紋次郎「カツラをかぶる」

ご無沙汰しておりました。
と言うか、初めてコメントさせていただきます。
よろしくお願いします。

一週間前の日曜日、小栗旬主演のTBSのドラマ、「ドリトル」に中村敦夫さんが出演していました。
私にとって、紋次郎=中村敦夫であるものですから、彼の老いた姿は見るに堪えないものがありました・・。
しかし、己の顔を見ればそれなりに老いさらばえているわけで、時は万人に等しく流れているものだなと、改めて痛感いたしました。

でも、できることなら老齢の紋次郎は見たくないです・・。

  • 20101122
  • 塾長 ♦-
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Re: 日々紋次郎「カツラをかぶる」

お夕さんの鬘姿おみとうござんした!、
お夕さんは2足草鞋でも3足草鞋でも履ける才能がございます。
淡青にそう言われてもそのなんなんですが・・・汗、

衣装着て舞台に立つ快感ってのはいかがでございましたかしら?!

  • 20101122
  • ヘルブラウ ♦pDmV/urE
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Re: 日々紋次郎「カツラをかぶる」

塾長さま、お久しぶりでございます。
コメントをいただき、ありがとうございます。

「ドリトル」をご覧になったんですね。
私も録画までして観ました。

紋次郎の印象が強いだけあって、複雑な心境……わかります。

未だに(精神的に)若いつもりでいる自分がいますが、明らかに齢を重ねた風貌になっていますよね。
毎日鏡を見ているから、改めては気づいていないというか……。

経験を重ねないとできないことは、たくさんあります。
俳優って、その時の齢だから演じられる役柄がありますね。その点、いいなあと思います。

最近では、近藤正臣さんの山内容堂役が印象的でしたね。

  • 20101122
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: 日々紋次郎「カツラをかぶる」

ヘルブラウさま、コメントをいただきありがとうございます。

舞台に立つ快感というか、別人になりきることの楽しさというか……変身願望があるんですかね。

あとで気づいたんですが、腕時計をはずすのを忘れ、袖から赤いバンドがチラチラ見えていたそうで……。
ダメですねぇ。

  • 20101122
  • お夕 ♦wikz35BA
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