紋次郎気質

1972年、一世を風靡した中村敦夫演じる木枯し紋次郎。笹沢氏が生み出した紋次郎とを比較しながら、紋次郎の魅力に迫ります。

Articles

日々紋次郎 「道中の心得」

日々紋次郎 「道中の心得」

日々紋次郎 「道中の心得」

*写真は街道脇の馬頭観音。江戸時代には家畜の守護神、旅の道中の安全を護る菩薩として路傍や田舎外れに置かれた。
「地蔵峠の雨に消える」で紋次郎兄貴は、出立の身支度を手際よくいたしやす。振分け荷物の中身も確認いたしやす。あの時の流れるような所作のかっこよさは、男らしくて惚れ惚れいたしやす。

さて、当時の旅人の荷物の中身を調べておりやすと、絶対に忘れてはならねえ6点があるとのこと。
 
1.薬  2.提灯  3.蝋燭  4.付け木  5.針と糸  6.綱

提灯は折りたたみができる小田原提灯だったようで……。そう言えば「水車は夕映えに軋んだ」のテレビ版で、紋次郎兄貴は蝋燭を切らして難儀をしているので分けて欲しいと、百姓家で頼んでおられやしたね。
綱というのは洗濯物を干したり、旅籠で火事があったりしたとき命綱として使うということでござんす。4メートルぐらいの長さだったそうで。今の世の中でも旅行に行くとき、ロープは持って行った方がよござんすとある雑誌に書いておりやしたから、先人のお知恵でござんすね。

「旅中心得の事」として「東講定宿帳」(安政6年刊)には、今にも通じることが書かれておりやす。その中でも、おもしれえ事を紹介いたしやす。
 
一、良薬なりとも人に与ふべからず、人より貰ひし薬も用ゆべからず。

人を信用するなってことでござんしょうか、それとも体質に合わねえ事もあるから気をつけろってことですかねえ。
そう言えばテレビ版の紋次郎兄貴は「一里塚に風を断つ」で、町医者「石川良庵」が差し出す薬を一度は断ろうとしやしたっけ。しかしながら、「木っ端が燃えた上州路」では薬を貰い受けやす。中には薬が身体に合わねえお人もいるかも知れやせんから、今の世の中でも通じることだと存じやす。

一、近道けつして通るべからず。

「急がば廻れ」ってことなんでしょうかねえ。「背を陽に向けた房州路」では教えられた道を進んで、あやうく崖から落ちかけやす。それも企みだったんでござんすが……。もしかしたら人に近道を教えられても、行くなって事なのかも知れやせん。

一、女を道連れにいたすべからず。

紋次郎兄貴は、女だろうと男だろうと道連れは作りやせん。女の足は遅うござんすから、合わせて歩くと時間がかかるってことなんでござんしょうか。それに色香に迷い、過ちを犯すってこともあるやも知れやせん。(考えすぎでござんしょうか)

一、大酒、遊女ぐるひ、喧嘩、口論、国所じまん咄し、諸勝負無用。

耳が痛えお人が、多いんじゃねえんですかい。「国所じまん咄し」ってえのが面白いじゃねえですかい。諸勝負の中には博奕も入っているんでしょうねえ。

一、宿役人、宿帳、名前いつわりを申さず、国所をよく記して申事。

後ろめたい旅をしているお人、こちらも耳が痛えんじゃねえですかい。

一、はたごやにつきては第一に火の用心、戸〆り、湯に入る時、金銀人に預け申す間敷く、また座敷の方角心得て申す可事、脇差荷物は主人に相預け申す可事。

基本的なことでござんすねえ。座敷の方角心得て……避難経路の確認ってなことでしょうかね。

どれもこれも理にかなっており、今の世の中にも相通ずることばかりで、あっし、恐れ入りやした。

他にも旅の心得として、早立ちや夜旅をするときは生ショウガを口にふくむといいとか……。どういう科学的根拠がありやすかはわかりやせんが……。

昔の旅ってのは、危険と隣合わせだったんでござんしょう。異国の地で、図らずも果ててしまうってこともあったに違えねえと思いやす。
そのときは果てた土地で葬ってほしい、宗旨は~で御法度の切支丹ではありやせん、などと書かれた「往来切手」もあったようでござんすから、覚悟は必要だったんでござんしょうねえ。
今のご時世でも、物見遊山だからって隙をつくらねえで、気を引き締めていきてえと思いやす。

それではどちらさんも、御免なすって。

トラックバックURL

http://kogarashi1940.blog10.fc2.com/tb.php/14-14c5bb05

この記事へのトラックバック

この記事へのコメント

Re: 日々紋次郎 「道中の心得」

登山は大抵一人でと決めております。
以前、数人で行って、あまりのペースの遅さに
疲れた覚えがあります。これに懲りましたので。

山で近道しようとすると危ない目にあうことが
多いようです。この教訓は為になりますね。

大酒は耳が痛うござんす。

Re: 日々紋次郎 「道中の心得」

桐風庵さま、コメントをいただきありがとうござんす。
あっしも道中でなくても大酒の件、耳が痛うござんす。紋次郎兄貴のように、杯をひっくり返せば良いところなんですが迎えにいっちまうところがまだ修行が足りやせん。

今後ともよろしくお願えいたしやす。

  • 20090520
  • お夕 ♦wikz35BA
  • URL
  • 編集 ]
コメント投稿フォーム

管理者にだけ表示を許可する

Paging Navigation

Navigations, etc.

About This Website

/