紋次郎気質

1972年、一世を風靡した中村敦夫演じる木枯し紋次郎。笹沢氏が生み出した紋次郎とを比較しながら、紋次郎の魅力に迫ります。

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日々紋次郎 「焼けた道異聞」

日々紋次郎 「焼けた道」

日々紋次郎 「焼けた道異聞」
「新木枯し紋次郎」の主題歌は、やしきたかじん兄さんが歌う「焼けた道」でござんす。
前シリーズ木太郎さん、もとい上條恒彦兄さんが歌う「だれかが風の中で」とは、曲調が随分違いやす。
どちらかというと、明るくカラッとしたフォーク調の「だれかが……」。対して「焼けた道」は、何となく演歌調、ウェット感がありやす。
作詞は中村敦夫氏 、作曲は猪俣公章氏でござんす。猪俣氏といえば、有名なヒットメーカーという御仁。そしてなんと、敦夫兄貴が自らの作詞。
これも経費削減のため?と考えるのは「下衆の勘ぐり」ってもんでござんしょうか。

実は「新……」のサントラ盤は、持ち合わせておりやせん。で、「焼けた道」も全曲は聴いたことがねえんで……。
以前にも申し上げたかと思いやすが、何冊か当時の台本を所有しておりやして、パラパラと見ておりやした。
どの台本も決まったように、「焼けた道」の歌詞がはじめに印刷されておりやすんですが、「あれ?待てよ?」と気づいたことがござんした。

「歌詞が違う!?」

たかじん兄さんが歌っているのと、歌詞が微妙に違うんでござんす。

1.誰も知らない 愛が……
  空の 角にも 焼けた道にも(燃える道にも)
  人を愛した…… 野に香る百合の花(ひなげしよ)
  教えておくれ 愛が……

2.誰も知らない 自由が……
  海の 底(辺)にも 山の……
  それを見つけた…… 密林の黒豹よ
  教えておくれ 自由が……

3.誰も知らない 人は…… 
  食べるためにか……
  それを知ってる……吹きすさぶ木枯しよ(頬なでる春風よ)
  教えておくれ 人は……

*(  )内は推敲前の歌詞  

日々紋次郎 「焼けた道」

手持ちの台本は限られておりやすんで、正確にはどうなのかはわかりやせんが、
第5話「賽を二度振る急ぎ旅」に書かれておりやす歌詞は、歌われているそれとは違いやす。
第11話「笛の流れは三度まで」には、たかじん兄さんが歌っている歌詞になっておりやす。
第10話「鴉が……」の台本には、なぜか歌詞が書かれておりやせん。
6~9話の台本は、手元にござんせんので確かめようがありやせん。

敦夫兄貴が最初に作詞されやしたものが、変更されたんでござんしょうか。
思えばこの歌詞、なかなか難解な内容でござんす。使われている文言も異彩を放つと申しやすか。

「空の角(かど)」……なかなか使えねえ。空の角(かど)ときたら、2番は海の辺(へん)となりやす。しかしながら、推敲されたのか底になりやした。

「密林の黒豹」……意表を突く世界観。この時点で、紋次郎が歩く街道がジャングルの道へと広がりやす(笑)。

3番になりやすと、これはもう人生哲学……。ジャングルの道どころか、人が人として生きる道とはなんぞや、という次元にまで行き着きやす。

ひなげしが百合の花に変更されたのはなぜか。
ひなげしは、紋次郎のイメージとはかけ離れておりやす。これは3番の「頬なでる春風よ」も同じ事が言えやす。
放映が秋から冬なのに「春風」はちょっと季節外れでござんしょう。
「百合の花」に変更されたようでござんすが、他の花は思いつかなかったんでござんしょうか。「百合の花」が出てくると言えば、テレビ版第7話「四度渡った泪橋」が思い出されやす。
香る花と言えば、百合はかなり芳香が強いもんでござんしょうが、「竜胆」「桔梗」「野菊」あたりにしてほしかったというのは、わがままと言うもんで?

しかし一番疑問に思うことは、第5話の台本時点でまだ旧歌詞だったとすれば、一体いつこの「焼けた道」は完成し録音されたのか、ということでござんす。
第1話のオンエアが10月5日。第5話は11月2日がオンエアで、その時の台本時点では録音されていなかった!?ということになりやす。
放映ギリギリの主題歌作り、録音だったとしやしたら、この「焼けた道」はそれこそ突貫工事(笑)だったと言えやしょう。

へい、御免なすって。


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この記事へのコメント

Re: 日々紋次郎 「焼けた道異聞」

お夕さん お邪魔いたします。

私には、とてもタイムリーな内容で有り難いです^^

実は最近、紋次郎離れをしております。
「紋次郎」の世界観が私には重すぎることがありまして、時々お休みをいただいております。

その代わりと言っては何ですが…
このところ敦夫さんの出演された作品がいくつも放送されているので、そちらを主に鑑賞しております。

「徳川三国志」「清水次郎長」「くノ一忠臣蔵」「銀行」等々

勿論、それぞれ違う敦夫さんなのですが、どうしても役柄ではなく「敦夫さん自身」の雰囲気が伝わってきます。
それが役者さんにとって、いいことかどうかは別ですが…

常々、私は「何故、紋次郎は、中村敦夫でなければならないのか?」を考えております。

この「焼けた道」は、きっと、敦夫さんの紋次郎観を知る手掛かりになるように思います。













Re: 日々紋次郎 「焼けた道異聞」

私は初めて聴いた時から「野に香る百合の花」が、えらい唐突だなあと思っておりました。
お夕さんの文章にある最初の歌詞を読んで、その次の歌詞と繋がり、「教えて欲しい」と尋ねる相手だったとわかりました。

私もお夕さんと同じく、花なら百合よりもう少し地味な露草か白菊あたりで、香らなくても咲いてるだけでもいいと考えました。
やはり元の歌詞のように、語尾に「よ」がある方が、後ろと繋がってくれやすいですね。

…と、紋次郎ワールド堪能モードだとこんなこと考えますが、「密林の黒豹」の前にはモードがぶっ飛んでツボにハマってしまい、ジャングルを歩く紋次郎をビジュアルで思い描いたり、じゃあ4番は南極のペンギンかと考えたりで、寝付けませんでした。(笑)

  • 20111225
  • TOKI ♦nhNJg39g
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Re: 日々紋次郎 「焼けた道異聞」

白さま、コメントをいただきありがとうございます。
お返事が遅くなり、申し訳ございません。

最近、おいでにならないのでどうされたのかなあ……と思っておりましたが、お元気そうで良かったです。

「敦夫さま三昧」(笑)をされているようですね。どれもなかなか見応えがあるのではないでしょうか。またご感想など、気楽にお聞かせ下さいね。

「何故、紋次郎は、中村敦夫でなければならないのか?」
難しく考えれば、きりがない問いですね。

私など単純ですので、「なければならないのか?」というより、「中村敦夫さんの紋次郎に惚れたから、それ以外は考えられない」としか言いようがありません。

よく似た人が演じたとしても百恵ちゃんの「イミテーションゴールド」♪の歌詞と同じで、「~がちがう…~がちがう…」と、あれこれあげつらってしまいそうです。
♪ごめんね~40年前の人と~また比べている~♪
って感じです。(古い歌ですみません)

  • 20111227
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: 日々紋次郎 「焼けた道異聞」

TOKIさま、コメントをいただきありがとうございます。
お返事が遅くなりました。

この歌詞、やはり考えれば考えるほど深いように思えてきます。

1番に「愛」、2番に「自由」、3番に「生きる目的」……。
すべてが「紋次郎」に関わることだと思いますから、紋次郎の生きざまにオーバーラップします。

多分これは、語り出したら「紋カフェ」閉店まで続きそうです……(笑)

  • 20111227
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: 日々紋次郎 「焼けた道異聞」

ふと、と感じましてやしきたかじんの「焼けた道」がないかとYouTubeを必死でめくりましたが、
ありませんね~。
つづいて歌詞検索もやりましたが見つけることが出来ませんでした。
CDの宣伝はかなりありましたが・・・。

詞を読むと中村敦夫氏のロマンが広がりますね。

空の角に海の辺・・・なかなか素敵なフレーズです。
一般受け、わかり易さから底?

密林の黒豹よ
う~ん、何だかイメージが変わりますね~。

「焼けた道」関連をいくつも検索しておりましたら
“紋次郎気質 - 日々紋次郎 「焼けた道異聞」 - 紋次郎気質 - FC2”
が三つもヒットしました。

お夕さんには、そのうち“紋次郎賞”が贈呈されそうです!
いやー、このシリーズは本当にすごいです。

  • 20111228
  • 小父さん ♦-
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Re: 日々紋次郎 「焼けた道異聞」

小父貴さま、コメントをいただきありがとうございます。

たかじんさんのファンの中でも、この「焼けた道」をご存知の方は少ないでしょうね。
敦夫さんは文筆業を、多岐にわたってやっておられますが、作詞はこれだけではないかと思われます。

イメージができあがっている番組の主題歌って、難しかったでしょうね。
作詞イメージの経緯を、ぜひご本人にお聞きしたいところです。(無理でしょうが)

  • 20111228
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: 日々紋次郎 「焼けた道異聞」


「惚れたから、それ以外は考えられない」
お夕さん 素敵ですね^^
惚れることに、理由や説明は必要ありませんネ!

私の場合はどうなのかな?
紋次郎さんの中に自分を見ている、多分、そういう気持ちが大きいように思います。
オコガマシイことですが、紋次郎さんを知ることは自分を知ること。
だから、ついつい分析してしまうんですね~ 悪い癖です。。。

「敦夫さま三昧」では、敦夫さんの食べるシーンが好きです♡
とても綺麗なんですよね~♡♡

渡世人には盆も正月も無いそうですが、もし紋次郎さんが私とお雑煮を食べてくれたら、
お熊婆さまの煮物を味わった時のように美味しそうに食べてくれるかな~?
アホな妄想を膨らませております~~


Re: 日々紋次郎 「焼けた道異聞」

白さま、コメントをいただきありがとうございます。

「紋次郎さんの中に自分を見ている」
白さんは紋次郎を通して、自分を見つめていらっしゃる……深い見方をされているんですね。スゴイです!

でもかわいい妄想もされたりで、私も共感します。
「食べる」という本能的な行為には、自ずから「人となり」が見えるもの。
紋次郎サンの素の部分が、垣間見えますね。
お熊婆さまの煮物を、大事そうに両手で包み食べる様子は、人の真心まで身にしみているようでいいシーンですよね。

私が好きなモグモグシーンは、「夜泣石は……」で清坊が差し出す葡萄を頬張る紋次郎サンです。
命をつなぐためのあの食べっぷりは、印象に残ります。

また妄想ストーリーを、お聞かせくださいね。

  • 20111229
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: 日々紋次郎 「焼けた道異聞」

お夕さん、本文と関係なくて恐縮ですが、
今年も一年 お世話になりました。
来る年もよろしくお願い申し上げます。

  • 20111231
  • マイタ ♦B2BsuZNw
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Re: 日々紋次郎 「焼けた道異聞」

マイタさま

こちらこそ、楽しいブログを読ませていただき、ありがとうございました。

思えば、私の好きな「カエル」と「紋次郎」からご縁ができたのでしたね。

これからもよろしくお願いします。
よい年をお迎えください。

  • 20111231
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: 日々紋次郎 「焼けた道異聞」

お夕さん
連日の投稿になりやすが、勘弁してやっておくんなはい・・(笑)
2枚組にリニューアルされた『木枯し紋次郎/新・木枯し紋次郎 オリジナルサウンドトラック』のライナーノーツの中に、『新・・』および『焼けた道』について敦夫さんが語っていらっしゃる部分がありますので、抜粋します。
________________________________
『フジテレビからテレビ東京に移ったわけで、テレビ東京が全国ネットを形成するため、看板番組が必要だったの。その時に紋次郎の続編を是非,って話になって、紋次郎登場ですよ。でも大変でした。
今度は、市川さんが絡まなかったから、主演、監督、脚本はこなさなきゃいけないし、それから作詞なんてやった事ないですから。
でもしょうがないからやらなくてはいけなかったから。だから大変だった。』
『主題歌ね、確か、新地かな、飲み友達のやしきたかじんにお願いしたの。作詞家も用意してなくて、何とか僕が書いてね、後は猪俣さんにお願いしたの。曲はいいよね。』
『でも、今見たけど、これホントに僕が書いたの?もう少しなんとかなりそうだけど。時代がこう書かせたのかもね。まあ今思い出しても本当に大変だったよ。』
(中略)
「紋次郎」といえば、タイトルバックが印象的だ。もちろん、市川監督もそこには様々なこだわりがあった。果たして中村さんはどうだったのだろう。「新・紋次郎」ではタイトルバックを当時新鋭のCMディレクターだった、大林宣彦が起用された。
『お願いしたのは確かだけど。でも想像外のものが出来たんで、まぁちょっと驚いたね。』
________________________________

これを読むと、当時敦夫さんがいかに大変だったかが、想像するに難くありませんね。(3回も『大変だった』とおっしゃってるくらいですし)

Re: 日々紋次郎 「焼けた道異聞」

ケンシロウさま、コメントをいただきありがとうございます。

興味深いお話、ありがとうございます。
あの当時、たかじんさんとは飲み友だちでいらっしゃったんですね。

「新……」の制作は、本当に綱渡りだったんですね。
いつか敦夫さんが監督・脚色で、紋次郎を撮影してくださらないかなあ、と淡い期待を抱いております。

敦夫さんが選ぶ平成の紋次郎は、誰になるんだろう?と想像するのも面白いですね。

  • 20120307
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: 日々紋次郎 「焼けた道異聞」


『敦夫さんが監督・脚色で、紋次郎を撮影してくださらないかなあ…』
お夕さん! 素晴らしい名案です!!

敦夫さんは、昨年、自作自演で山頭火の朗読劇をされましたし、仏教研究もされているとのこと。
紋次郎を演じられていた時とは、また違った紋次郎観もお持ちかもしれませんね。

ケンシロウさんのコメントで、新・紋次郎のタイトルバックについて、
『お願いしたのは確かだけど…想像外のものが出来た…』
という敦夫さんの感想をお聞きして、とても安堵いたしました。
ケンシロウさん、ありがとうございました^^




Re: 日々紋次郎 「焼けた道異聞」

白さま、コメントをいただきありがとうございます。

山頭火と紋次郎は似ている、と以前敦夫さんがコメントされていたテレビ番組を見たことがあります。
山頭火の精神と紋次郎の生きざまを、ミックスしたような作品になるかもしれませんね。

「新……」のオープニングを、初めてご覧になったスタッフ陣は、どういう感想を持たれたんでしょう。
結構、私たちが感じるのと同じような印象だったりして……(笑)。

兎にも角にも、やはりタイトルどおり「新」だったんですね。

  • 20120308
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: 日々紋次郎 「焼けた道異聞」

お夕さん、こんばんは。ならびに白さん、はじめまして!

お夕さんのおっしゃる通り、敦夫さんが指揮を執って新しい紋次郎を作り出しくださるのなら、それはファンとしても、一番の喜びだと思います(^-^)b
たとえそれが、どんな形であったにせよ、出演だけでなく制作全般にまで関わり、笹沢氏や市川監督の表現したかった紋次郎を最も良く理解されている敦夫さんの作った『次世代・木枯し紋次郎』として受け入れる事が出来るんではないかなと思うのです。

TV時代劇が低迷し、明日をも知れない今の日本に、あの男が帰ってくる・・・想像しただけで身震いしそうです(笑)

Re: 日々紋次郎 「焼けた道異聞」

ケンシロウさま、コメントをいただきありがとうございます。

京都から時代劇の灯が消えることを、敦夫さんも憂えておられます。
ここは一肌脱いで……お願いしたいところですよね。

で、できたら「スペシャル版2時間ドラマ!」じゃなく、通常の枠、50分弱の方が個人的にはいいなあ、と思っています。

リアルタイムで観ていた者にとっては、あの尺での展開が身にしみついているというか……凝縮されているような気がするんですね。

まあこれは、あくまでも個人の感想ですけど(笑)。

  • 20120309
  • お夕 ♦wikz35BA
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