紋次郎気質

1972年、一世を風靡した中村敦夫演じる木枯し紋次郎。笹沢氏が生み出した紋次郎とを比較しながら、紋次郎の魅力に迫ります。

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日々紋次郎「日本街道100選」

日々紋次郎「日本街道100選」

日々紋次郎「日本街道100選」
最近よく紐解く書籍に「日本街道100選」がござんす。これは、あっしが中学生の頃に読んでいた「日本侠客100選」と同じく、秋田書店が出版した「100選シリーズ」の一つでござんす。出版当時はまだ、街道にまでは興味がござんせんでしたので、入手はいたしておりやせんでしたが、1年半前にネットで購入いたしやした。

書かれたのが昭和46年7月と言いやすから、丁度紋次郎兄貴がブラウン管に登場する半年前でござんす。
これを読みやすと、今でこそ時代劇のロケ地探しは困難を極めやすでしょうが、当時はまだまだたくさん残っていたことがよくわかりやす。モノクロの写真が説明文と一緒に掲載されておりやすが、これがなかなか渋い!
まさに天保年間、紋次郎兄貴が街道にいた頃を彷彿とさせやす。と言っても、天保の時代を見ておりやせんので(イメージ)となりやすが……(笑)。

日々紋次郎「日本街道100選」
*上記は馬籠宿

街道が未舗装というのが、懐かしゅうござんす。
あっしがガキの頃、ぼろい借家の前の道が、これまたひでぇデコボコ道。雨が降りやすと、あちこちに大きな水たまりができ、難儀したもんでござんす。時々どぶ川をさらえた泥を、へこんだ道に撒いて均したことを思い出しやす。
放映当時は、まだまだ街道らしきものが残っていたんでござんすねえ。
街道の様子と一緒に、宿場の写真も掲載されていて、これがまた興味深い。今と比べると、様変わりしていることがよくわかりやす。

日々紋次郎「日本街道100選」
*上記は大内宿

妻籠宿、奈良井宿、大内宿などは、「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されており、昔の風情が残されていると思いきや、写真と比べるとかなり変容しておりやす。ずっと時間が止まっているはずはござんせんし、実際にそこで住んでなさる方々がおられるんで、当たりめぇと言われりゃその通りで……。
昔のものを残しつつ、補修したり改築したりして、当時の姿を再現しているんでござんすねぇ。

著者の杜山悠氏は、道をいろんな観点から分類できるとまえがきに書いておられやす。
権力支配の道、軍用の道、宗教・信仰の道、産業の道、物見遊山の道、交際・儀礼の道など、なるほどと思いやすねぇ。
どの街道にも愛着を持っておられたようで、実際に歩いたり自転車で取材をされていやす。やはり人力でないとこの魅力は感じ取れないんでござんしょうねぇ。

日々紋次郎「日本街道100選」
*上記は兵庫県の淡河(おうご)街道

現代の道路はどんな風に、分類がされるんでござんしょうか。何だかあんまり、風情が感じられねぇように思いやすがね。できるだけ早く、快適に、安全に目的地に行けることが最優先されるのはわかりやすが、すべてその尺度で変わっちまうのも寂しいもんがございやす。
十把一絡げではなく、いろいろな価値観で、現状を保存することも考えていただかねぇと、紋次郎兄貴が歩く街道がなくなってしまいやす(笑)。

さて、40年以上経った今、昔の街道を100も選べるのかが気になって仕方ござんせん。

へい、御免なすって。

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Re: 日々紋次郎「日本街道100選」

1971年の本ですか。
70年代初頭のキーワードは、個人的には「旅」というものが有ります。
紋次郎を筆頭として、ディスカバージャパン、「遠くへ行きたい」、「旅の宿」などなど…。
旅に出たくなるようなCMソングもありました。
「ひとり 流れ者  ふたり 恋の旅 三人 プラスワン  五人 仲間たちさ~ ちょっと嬉しい~ カ~ロ~ラ~♪」
「ひとり 港町  ふたり 城下町  三人 宿場町   五人 いで湯の町  ちょっと嬉しい~ カ~ロ~ラ~♪」
 (追記:you tubeにありました。) 
 http://www.youtube.com/watch?v=MGkf5EfDfw4
また、「日本列島 狭いようで広い~ 歩こうよ~♪ 森永チョコレート 栗!」は、栗の実る小高い山道から連なる山々を見渡す映像だったと思います。
(これは見てて「紋次郎みたいだ!」と思ったのを覚えてるので、放映と同時期だったと思います)

私は、近畿の衛星都市の新興住宅地で育ったので、70年代に入るまで古い町並みをあまり見たことがありませんでした。
そしてこの頃から、自転車であちこち探索することを覚え、家からかなり離れた市の中心部へも足を伸ばし始めました。
ここは西国街道が通り、古い町並みが残ってました。
それを見て、まだ紋次郎が放映されてなかったので「お茶漬け海苔のカード(広重)みたいな町だ!」と思ったものです。
後で調べたら、天保年間には旅籠33軒の宿場町だったとのことでした。
もっとも、旅籠に煮売家、茶屋といった江戸時代のものが残ってるのではなく、貸本屋や駄菓子屋といった、昭和30年代のものが残ってるほうに感動したのでしたが。

私は現在バイク乗りになって、あちこちの街道を走ってます。
昔の宿場町の風情が残る町はライダーにも人気が有るようで、昭文社のツーリング用地図帳には、そういった旧街道に、「昔の宿場町の面影が色濃く残る」との案内がよくあります。
もっとも、色んな街道を行くあっしですが、ダンプ街道とネズミ捕り街道だけは、御免被りやす。(笑)

写真の、本に添えた花、素敵ですね。
お夕さんの人となりを感じました。

  • 20120911
  • TOKI ♦nhNJg39g
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Re: 日々紋次郎「日本街道100選」

TOKIさま、コメントをいただきありがとうございます。

「旅の宿」……懐かしいですね。
ちなみに、八甲田山の麓にある「蔦温泉旅館」が「旅の宿」のモデルだそうです。
あの歌詞の状況は、憧れましたねえ。

私が育った町は、いわゆる城下町です。
今は隣の町に住んでいますが、そこも城下町。
どちらも瓦葺きの家が、たくさん並んでいます。
特に実家の近くは昔ながらの堀があり、時代劇撮影のメッカです。今はたくさんの観光客が訪れますが、子ども時代は嫌な臭いのする汚い堀でした。
その後浄化や整備が施され、綺麗になりました。
周辺は、「重要伝統的建造物群保存地区」です。
観光客さえ居なければ(笑)、とても素敵なところです。

水郷もあるのですが、そこもよく時代劇で使われます。
最近では、北大路さんの「剣客商売」でのロケ地でした。
この地は、「重要文化的景観選定制度適用」の全国第1号だそうです。

故郷が注目されるのは光栄ですが、観光客が多すぎるので、早朝に訪れるのがベストですね。

もしお近くに来られることがございましたら、年増のツアコンですが(笑)、ご案内いたします。

  • 20120912
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: 日々紋次郎「日本街道100選」

お久~、お夕さん、

日本街道100選とは昔聞いたことがある題名です、
日本名山100選とかもたしかありましたよねっ、

街道で思い出すのは司馬遼太郎の「街道を行く」というシリーズ物を読んだことがあります、
日本だけでなく欧州の街道もあり確か挿絵が安野光雄で街道がらみで
なつかしく思い出させていただきました。

旅姿の紋次郎がでてきそうな古いたたずまいの写真で情調がありますね~・・・

お夕さんのブログからも懐かしい響きのいい調子がいつも流れていてほっとします。Besten Dank!



  • 20120913
  • ヘルブラウ ♦pDmV/urE
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Re: 日々紋次郎「日本街道100選」

あらっ、本亭のヘルブラウの名前だったみたいだわ~、
こちらにはやはり淡青でお邪魔させてくださいねっ・・・笑

  • 20120913
  • 淡青 ♦pDmV/urE
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Re: 日々紋次郎「日本街道100選」

紋次郎がブレイクした下地として、放映の少し前からの、こういった「ディスカバージャパン」も有ったのではないかとも思うのです。
日本人が日本の風土の美しさを再発見する動きが高まってきた時に登場した、あの美しい日本の原風景の映像。
これも相まって、より多くの人の心を掴んだのではないでしょうか。

お夕さんも城下町の育ちですか。
私の育った町も、キリシタン大名・宮川左近の城下町でした。
(ネットなので、情報を一部暗号化してます 笑)
もっとも明治に廃城となって解体され、東海道線の資材にされてしまい、現在はお堀しか残ってないのです。

「旅の宿」にモデルとなる宿が有ったのは知りませんでした。
万葉の歌人・額田王がススキの簪を挿していたのを歌ったんじゃないんですね。
本当にお夕さんは色んな情報をご存知です。
あの世界を私もいつか体験してみたい…と思いつつ、もう初老の域に達してしまいました。(笑)

  • 20120913
  • TOKI ♦nhNJg39g
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Re: 日々紋次郎「日本街道100選」

淡青さま、コメントをいただきありがとうございます。

「街道」という響き……いいですね。
何となく、哀愁があります。
私の住まい付近も、2本の街道が走っています。
一つはは中山道、もう一つは朝鮮通信使が通った街道です。
今も鄙びた感じが、いい雰囲気です。

淡青さんのお住まい付近にも、街道はありますか。
どんな旅人が往来したんだろうと、想像するのも楽しいですね。

  • 20120913
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: 日々紋次郎「日本街道100選」

TOKIさま、コメントをいただきありがとうございます。

仰るとおり、「ディスカバージャパン」ブームは関係していると思いますね。
そして、それまでの時代劇の風景と違って、「わび、さび」を感じる映像美があったと思います。

真っ青な日本晴れの下、絵はがきのような風景が広がり、颯爽と歩く人物……というお茶の間時代劇とは一線を画していた紋次郎の世界。
定番の物見遊山ではなく、もっと日本の風土の奥深さを知ろうという風潮と相まったところがあったのかもしれません。

やっと朝夕は涼しくなり、紋次郎の季節に近づいて来ました。
人知れず、ひっそりと存在する美しきものを感じる心。
なくさずに、大切にしていきたいと思います。

  • 20120914
  • お夕 ♦wikz35BA
  • URL
  • 編集 ]
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