紋次郎気質

1972年、一世を風靡した中村敦夫演じる木枯し紋次郎。笹沢氏が生み出した紋次郎とを比較しながら、紋次郎の魅力に迫ります。

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日々紋次郎「岩田専太郎さしえ画集」

日々紋次郎「岩田専太郎さしえ画集」

日々紋次郎「岩田専太郎さしえ画集」
私が中学生の頃、手にした紋次郎の書籍は講談社の単行本でした。まだ文庫本は出版されていませんでしたので、お小遣いのほとんどは消えてしまいました。
そんなに苦労して買ったのに、引っ越しのバタバタの中、散逸してしまい残念無念……。

日々紋次郎「岩田専太郎さしえ画集」

さて、その単行本の挿絵が、岩田専太郎氏の手によるものだったのです。紋次郎世界をモノクロで表現した、岩田氏の挿絵が好きでした。
特に、紋次郎のシルエットのかっこよさには痺れました。使い古された三度笠のささくれ方や、翻る道中合羽、チラリと見える腰の長脇差……鋭角的でスラリとした体躯(膝下が長くてかっこいい)。
三度笠の下から見える丹精な横顔のシルエットなどは、よく自分も真似をして、ノートの切れっ端に模写しました。

日々紋次郎「岩田専太郎さしえ画集」

登場する女性像も扇情的で、着物姿の色っぽさが最大限に表現されていたと思います。着崩したしどけない姿態が魅力的でした。

日々紋次郎「岩田専太郎さしえ画集」

全体的には寂寥感漂う作品の空気感がよく表現されていて、構図に奥行きがあるものが多いように思います。遠くに微かに紋次郎の孤影がポツンと配されている作品などは、去っていくのが宿命である、股旅作品の真髄を表出しています。

日々紋次郎「岩田専太郎さしえ画集」

もしかしたら、テレビ作品のエンディングはこれらの挿絵を意識しているのではないか、と思われるほどです。
この画集には、昭和46年3月から48年6月まで「小説現代」(講談社)で連載された「木枯し紋次郎」の挿絵の中から十数枚掲載されています。

日々紋次郎「岩田専太郎さしえ画集」

この「さしえ画集」は、拙ブログにお見えになる「ぶんぶんさま」よりご紹介いただいたもので、今から3年ほど前にネットで古書を購入しました。
毎日新聞社から昭和51年11月1日に発行されていて、当時の価格は2万円。
私はかなりお安く入手しましたが、今から37年前の2万円は相当高価だったと思います。

日々紋次郎「岩田専太郎さしえ画集」

重量感のある画集で、布張りのケースも豪華で、装丁も立派です。

日々紋次郎「岩田専太郎さしえ画集」

彩色された日本画も目を引きますが、やはり私はモノクロ作品の方が好きです。
限られたスペースに、小説の作風や場面を凝縮し表現するという緊張感と濃密さがすばらしいと思います。
小説が電子化されると、挿絵はどうなるのでしょうか。
杞憂に終わればいいのですが……。


◎おまけクイズ
日々紋次郎「岩田専太郎さしえ画集」

日々紋次郎「岩田専太郎さしえ画集」

「上記の挿絵はどの作品のものでしょう?」


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Re: 日々紋次郎「岩田専太郎さしえ画集」

私も放映された昭和47年に、単行本を買い揃えました。
が、ブームになってから刊行された本で、挿画は無し。
中村紋次郎のイメージが定着しているので、カットされたのでしょうか。

私が岩田専太郎 さんの名前を知ったのは、mixi紋次郎コミュでの、おみつさんの投稿からです。
「ギスギスして、乾ききった感じの世界」が、紋次郎にピッタリだなと感じました。
画像検索して、色んなタイプの美しい女性を描き分ける氏の世界にも魅了されました。
欲張りなおねだりですが、テレビ版が放映された後に、もう一度、氏の手によって、中村紋次郎や黒沢お妙さん、小川お勝さん、香山おちかさん、新藤お政さんなどを意識した挿絵を描いてもらえたら…などと思ってしまいます。

「雪に花散る奥州路」「地獄を嗤う日光路」単行本表紙は、作者名が書いて無いのですが、S字に曲がりくねった道の向こうに渡世人のシルエットが描かれています。
これ、岩田さんの世界を参考にしたのでしょうか。

クイズ、難問ですが、女性同士のバトルといえば…「暁の追分に立つ」!

  • 20130512
  • TOKI ♦nhNJg39g
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Re: 日々紋次郎「岩田専太郎さしえ画集」

TOKIさま、コメントをいただきありがとうございます。

紋次郎像を、小説からイメージし、初めて2次元化した人が岩田専太郎さんですね。
もしかしたら、市川監督も少なからず影響を受けていらしたかもしれません。

紋次郎と同時期の、「御子神の丈吉」の挿絵も手がけておられたようで、笹沢氏の作品とはかなりご縁があったようです。

TOKIさんの仰るとおり、私も岩田先生にドラマバージョンを描いていただきたかったです。でも多分、挿絵画家としてのプライドが許さなかったでしょうね。
私はTOKIさんに、描いていただきたいです(笑)。

「雪に……」「地獄を……」の表紙絵は、岩田氏のものに似ていますね。
ご本人のものか、リスペクトされたものかは私もわかりませんが、なかなかかっこいいですし、装丁もいいですね。

クイズの件ですが、さすがTOKIさん、正解です!
というか、明記されていませんので多分ですが……(笑)。
ドラマ編でも凄まじいバトルでした。
紋次郎が二人のバトルを尻目に、超然と構えているのが見て取れます。

  • 20130512
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: 日々紋次郎「岩田専太郎さしえ画集」

こんばんは♪

二枚とも「暁の追分に立つ」で、正解です!
でも、女同士のバトルでタイトルまで判るとは、流石にファンですね(多少オタクが入っているかも・・・
失礼!)
お婆のイラストは単行本の挿し絵に入っていましたので判りましたが、女のバトルは単行本を引っ張り出すまでストーリー自体思い出せませんでした・・・

でも、ハードカバーの単行本が300円の時代だったんですね~
つくづく時代を感じます。

「岩田専太郎挿し絵画集」遂に発見されませんでした。
貧乏に負けて売ってしまったのかも知れません。
新吾十番勝負とか現代劇挿し絵も貴重ですよね。
残念!

では、又♪

  • 20130513
  • どこかのだれか ♦-
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Re: 日々紋次郎「岩田専太郎さしえ画集」

追伸 「日暮れ妖之介」のぷっ裂き羽織と鷹の構図も見事でしたよ。

Re: 日々紋次郎「岩田専太郎さしえ画集」

何回もすみません、「ぷっ裂き」だって・・・
「ぶっ裂き」の手違いです。
失礼しました。m(__)m

Re: 日々紋次郎「岩田専太郎さしえ画集」

ぶんぶんさま、コメントをいただきありがとうございます。

クイズの確認もありがとうございました。
正解だったようですね(笑)。
ついでに確認ですが、1枚目のガリガリの人物は婆さんではなく爺さん(与三郎)ではないでしょうか?お梶の父親の……。

「日暮妖之介」……当時私も購入して、読みました。(ほとんど忘れましたし、書籍も散逸)
当時の時代小説の挿絵は、岩田氏によるものが本当に多かったようですね。
お仕事も激務だったのではないでしょうか。
急にお亡くなりなったように記憶していますが、後任者を探すのに苦労されたことでしょうね。

  • 20130513
  • お夕 ♦wikz35BA
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  • 編集 ]
Re: 日々紋次郎「岩田専太郎さしえ画集」

そりゃあもう、あの回の女性同士の取っ組み合いバトルはインパクトありありでしたからね。
川の中で首まで水に浸かり、太腿の付け根近くまであらわにして、組んづ解れつ。
その直後の衣装の乾燥の早さもあって(笑)、初めて見た時から印象に残ってました。

関係ないけど、私は子供の頃、「国性爺合戦」というものを、爺さんが二人で取っ組み合いの喧嘩をする話かなんかだと思ってました。

岩田さんの挿絵ですが、ただストーリーをビジュアル化しただけのものじゃなく、作品世界に耽溺して筆を執っておられますよね。
プロとしてはそれが当たり前なんでしょうが、後年の紋次郎の表紙絵…。
短い顔の脂ぎったおっさんが楊枝咥えてるのを見て、私はズッコケました。
ちゃんと紋次郎の風貌は作品に書かれてるのに。

姫四郎シリーズでも、あろうことか右手に数珠と長脇差の両方を持っていたり。
ちゃんと内容読んでから仕事してくださいよね。(笑)


  • 20130515
  • TOKI ♦nhNJg39g
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Re: 日々紋次郎「岩田専太郎さしえ画集」

TOKIさま、コメントをいただきありがとうございます。

こういう女性同士の戦いを、「キャットファイト」って言うそうですね。

大分年の差がありますが、「女郎蜘蛛……」でのお勝とお甲婆さんもキャットファイトなんでしょうか?(笑)

挿絵の善し悪しで、作品の品格に差が出ると思いますね。
同じ内容でも、ガラッとイメージが変わります。
「とんでもない紋次郎」……縮めて「とんでモンジロー」(笑)を描かれた挿絵画家さんの責任は重いと思いますよ。出版社も、作品への愛情があったのか、疑問です。
「こんな紋次郎、見とうはなかった!」

  • 20130516
  • お夕 ♦wikz35BA
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  • 編集 ]
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