紋次郎気質

1972年、一世を風靡した中村敦夫演じる木枯し紋次郎。笹沢氏が生み出した紋次郎とを比較しながら、紋次郎の魅力に迫ります。

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「帰って来た木枯し紋次郎」(1993年) その二

「帰って来た木枯し紋次郎」(1993年) その二

「帰って来た木枯し紋次郎」(1993年) その二
さて、前回は作品の周辺の話でしたが、今回は作品についての対談……。

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ユッピー「お夕姐さんは、20年ぶりの紋次郎作品の第一印象はどうだったの?」

お夕「そうさねえ、画質の美しさってところかねえ。テレビ版とは違って鮮明で、隅々まで明るく見えるんで、ビックリしたねぇ。」

ユッピー「今じゃ、3Dなんだけどね。」

お夕「3Dで観たいとは思わないけどね。テレビ版のロケ地の魅力は「寂寥感のある美しさ」だと、あたしゃ思っていたんだよ。『木枯し』っていうタイトルだけあってね、枯れた感じの自然の美しさが好きだったんだよ。」

ユッピー「私はやっぱり、光り輝く景色が好きだなあ。地中海の絶景とか、ハワイのビーチなんかもうっ、最高!」

お夕「若いねぇ、あんたは……。美術担当の西岡氏は枯れた感じを出すために、実をつけたものが映り込まないように気をつけなすったとか……。」

ユッピー「へえ、そんなところまでこだわっていたのね。」

お夕「山々の紅葉の美しさは言うに及ばず、寂寞とした世界……侘びさびって言うのかねぇ。風光明媚なだけが、自然美じゃないってことがよくわかったよ。」

ユッピー「で、『帰って来た……』はどうだったの?」

お夕「テレビ版に比べると色彩が鮮やかだねぇ。枯れた感じというより、粧った自然美が迫ってきたよ。鮮明な映像なんで、余計にそれが際立った印象だね。日本の風景美を改めて感じたね。」

「帰って来た木枯し紋次郎」(1993年) その二

ユッピー「オープニングのタイトルロールは、往年のファンにとっては、特別なものだったんでしょうね。」

お夕「そりゃあ、そうだよ。1週間待ちに待って、やっと出逢えた恋人みたいなもんだからねぇ。どこを切り取っても、惚れ惚れする作りっぷりだったよ。だから、今回はうれしかったね。当時のものと、新しく撮影したものとが、うまく融合していたんだから……粋な、はからいだと思ったね。」

ユッピー「晩秋の山々をバックに、ズンズン歩いて来るシーンとか、山間のクネクネ道とか?」

お夕「それがね、残念ながら、編集されていなくてねぇ。特にクネクネ道を、市川監督はもう一度撮りたかったみたいだけど、もう様変わりしていたみたいだね。20年っていう歳月は、人間の外見以上に、自然環境の様態を変えちまったようだよ。ちょいと哀しいねぇ。」

ユッピー「それからまた20年経ってしまったってことは……?」

お夕「あん時以上に、紋次郎兄貴の世界が、ジワジワと狭くなっちまったってこと……。どこの山を見ても鉄塔が建ち、送電線が見えるからねぇ。道は舗装され、白いガードレールが伸びちまってるし、神社仏閣の石段には、鉄製の手すりが設置されるようにもなっちまった。」

ユッピー「手すりがある方が、お夕姐さんには楽でいいじゃない。」

お夕「人を年寄り扱いにしないでおくれ!茅葺き屋根には、トタン屋根が張られたりもしているしね。ロケ地として使われる場所が、どんどん山奥になってきてるんじゃないかい。ロケ隊が現地まで行くには、かなりの時間と労力が必要だろうね。」

ユッピー「そうなると、経費もバカにならないってことでしょうね。人件費、高くなりそう!」

お夕「時代劇はお金がかかるっていうことは、このあたりも関係するのかねぇ……話がちょいと、横道にそれちまったねぇ。」

ユッピー「久々の中村紋次郎の姿はどうでした?」

お夕「シルエットが当時とほとんど変わりなくて、正直ホッとしたよ。タイトルロールでの新旧のシーンを見比べても、大きな変化はなかったねぇ。」

ユッピー「さすがに俳優魂……メタボ系の残念なお姿ではなかったんですね。」

お夕「もし敦夫さんが、メタボ系のシルエットになってしまっていたら、市川監督も二の足を踏んだだろうねぇ。市川監督は紋次郎を撮るのなら中村敦夫以外は考えられない、と主張されてたんでね。」

ユッピー「そうね、いくら長い道中合羽で隠すったって、お腹がポコンじゃみっともないもんね。」

お夕「往年のファンは、ホッと一安心ってところだよ。でもねぇ、ちょいと顔の部分で気になるところがあってねえ……。」

ユッピー「わかった!お夕姐さんがいつも気にしている、『シワ』でしょ!」

お夕「ホントあんたは、いちいち神経逆なでするねぇ。違うよ!頬の傷跡!」

ユッピー「ああ、あのトレードマークの刀傷?あれがどうしたの?ちゃんと左頬にあったじゃない。」

お夕「確かに左頬にはあったけどね、位置がちょいと違うし色も違うようなんだよ。」

ユッピー「5年の間に、引き攣れ方が変わったんじゃない?」

お夕「もうっ!冗談はやめとくれ!5年の間で傷跡が移動する『傷跡移動説』なんて、聞いたことないよっ!」

ユッピー「キャーッ!お夕姐さんの方がウケル~(笑)。」

日々紋次郎「帰って来た木枯し紋次郎」(1993年) その二

ということで、彼女たちの話はまだ尽きそうにはありませんが、この辺でお開きです。
お夕さん、ユッピーさん、お疲れ様でした。

次回からは、ストーリーに沿ったレビューになります……多分なると思います(笑)。

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Re: 日々紋次郎「帰って来た木枯し紋次郎」(1993年) その二

「30過ぎの新人が演じる紋次郎と、50過ぎの中村敦夫が演じる紋次郎なら、どちらを見たいか」
私は、迷わず後者を選びます。
ていうか敦夫さんじゃなかったら、「帰って来た」じゃないと考えます。
(帰ってきたウルトラマンは、先代とは別人でしたが)

OP、全部新しく撮りおろしたのではなく、旧作の一部を差し替えて作ってある点が、余計に嬉しくなりました。
好きなアイテム、たとえばオートバイとかの、登場何十周年記念とかで限定発売される、ちょこっとだけ色が違ってたりストライプが入ってたりするものを見たら、たまらなく欲しくなるのと同じ心理でしょうか。

旧作OPの、曲がりくねった道はどこなのか、3年前のmixi紋次郎コミュで、少年時代に楊枝を咥えた実年モンジラー数名が、仕事も放り出し、グーグルアースやネット情報を駆使して、場所探しに躍起になりました。
そうして場所が高鳥谷山と特定できたのですが、遠くに連なる山肌に、新たに建設されたゴルフ場も見えてしまうことが判明したのです…。

  • 20130627
  • TOKI ♦nhNJg39g
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Re: 日々紋次郎「帰って来た木枯し紋次郎」(1993年) その二

舗装されていないクネクネ道が懐かしいです.

OPのあのワンショットが私には何か暗示的で,同じくOPでの行きつ戻りつする紋次郎のストップモーションと重なってしまうのです.


関わりの無い事に関わる,ループ現象とは関わりが無いでしょうけどね....

  • 20130629
  • トラの父 ♦-
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Re: 日々紋次郎「帰って来た木枯し紋次郎」(1993年) その二

TOKIさま、コメントをいただきありがとうございます。

私もTOKIさんと同じく、アラフィフ中村紋次郎に1票です(笑)。
帰って来たら別人になっていた……なんて、嫌ですモン。

やはりあのオープニングは、珠玉の作品ですね。
市川監督の映像技法を、すべて凝縮したものだと思います。
あのオープニングだけでも、紋次郎の世界のほとんどを表現しているといっていいぐらいです。

オープニングで印象的なものは、やはりクネクネ道でしょうねぇ。
あの場所を探しあてることは、ファンなら誰でも憧れだったでしょう。
よくぞ見つけてくださったものです。……と同時に一抹の寂しさもあったことでしょう。

『探偵ナイトスクープ』に調査依頼をしたら、どんな感じになっていたか妄想しています(笑)

  • 20130629
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: 日々紋次郎「帰って来た木枯し紋次郎」(1993年) その二

トラの父さま、コメントをいただきありがとうございます。

暗示的……そうかもしれません。印象に残るということは、心に引っかかる訳ですから、何かを暗示しているんでしょうね。

私は旧作オープニングで、一瞬見える屋敷の、白壁のはがれが気になって仕方がありませんでした(笑)。
詳しくは、拙ブログのhttp://kogarashi1940.blog10.fc2.com/blog-entry-2.html#more
をご覧になってください。

トラさん、お元気ですか?

  • 20130629
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: 日々紋次郎「帰って来た木枯し紋次郎」(1993年) その二

すみません、上のコメント、誤りがありました。
ゴルフ場は、撮影地点からは見えないようです。
mixi紋次郎コミュの人が作成してくれた、クネクネ道の地図です。
北方向にスクロールすると、カメラ設置場所も出てきます。
グーグルアースとの併用もオススメしたいです。
http://www.geocities.jp/c623z/m.index.html

「あのクネクネ道の場所を探して、紋次郎の格好をして歩きたい!」
これは私、マジで探偵ナイトスクープに依頼しようと何度も思いました。
が、テレビに出るのが恥ずかしいのと、探偵が村娘の格好をして出てきたらイヤなのとで(笑)、踏みとどまりました。

旧作OPの白壁の剥がれですが、放映当時あれを私は、壁に手配書の人相書きが貼り付けられてるんだとばかり思ってました。
ビデオを入手して静止画にしてみて、あらら、な~~んだ、と思いました。

  • 20130629
  • TOKI ♦nhNJg39g
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Re: 日々紋次郎「帰って来た木枯し紋次郎」(1993年) その二

TOKIさま、コメントをいただきありがとうございます。

すごいですね。
カメラ位置まで特定されているんですか。
ここまで来ると執念ですね。

やはりTOKIさんも、同じようなことをお考えだったんですね(笑)。
いやー、絶対村娘出てきますよ。ある意味、お約束ですから。
少年の、けがれなき憧れが、見るも無惨に打ち砕かれることになるでしょう(笑)。

例の白壁の剥がれは、ホントに顔のように見えていましたね。
その辺の効果も、狙っての撮影だったのかもしれません。

  • 20130629
  • お夕 ♦wikz35BA
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