紋次郎気質

1972年、一世を風靡した中村敦夫演じる木枯し紋次郎。笹沢氏が生み出した紋次郎とを比較しながら、紋次郎の魅力に迫ります。

Articles

日々紋次郎「街道を去り逝く 菅原紋次郎」

日々紋次郎「街道を去り逝く 菅原紋次郎」

日々紋次郎「街道を去り逝く 菅原紋次郎」
先日高倉健さんがお亡くなりになり、寂しい思いをしておりましたが、今日菅原文太さんの訃報を聞きました。映画界の巨星が続いて消え、喪失感でいっぱいです。

菅原文太さんといえば、東映映画で紋次郎役として主役を演じられた方です。

笹沢氏のエッセイ集「紋次郎の独白」に、菅原文太さんのことが書かれています。

当時笹沢氏は、返事の困る質問をよくされたそうです。
「中村敦夫と菅原文太と、どっちが紋次郎のイメージにピッタリですか」

公表される質問の答だけに深刻……結局「テレビと映画ではそれぞれ違いますからね。」と答えていたそうです。

中村紋次郎には、原作の紋次郎にはない甘さが具わりテレビ向き、菅原紋次郎は対照的に男好みの魅力があると書かれています。
紋次郎がテレビ化される前に、映画にするなら菅原文太がピッタリだと、数人の知人から笹沢氏は言われていたそうです。それぐらい、菅原さんは誰の目にもイメージが合致していたわけで、笹沢氏も初対面で感心したとあります。

「ぼくのイメージだけではなく、岩田専太郎さんの絵にもピッタリなのである。ガリガリに痩せていて、顔色がひどく青白い。ヒョロっとした長身が、どことなく頼りない。暗い翳りには、孤独な男の凄味がある。男っぽい、男臭い、無宿人のムードが、漂っている。」(「紋次郎の独白」より抜粋)

しかしながらその外見とは違い、菅原さんは冷たくはなく、むしろやさしい繊細な人だったようです。
笹沢氏が映画に出演するときは、菅原さんは細かく世話をしてくれたと述懐しています。

「スター意識など、まったくない人なのだ。誰に対しても親切だし、まるで目立とうとしない。苦労人である。」(「紋次郎の独白」より抜粋)

この人物評は、高倉健さんと相通じるものがあるように思います。誰に対しても……という、分け隔てのない人との接し方は、原作の紋次郎とも似通ったところがあると思います。

俳優として、男として、人として……気骨ある人生を歩まれた菅原文太さん。強さや優しさ、そして哀しさも体現されてきた名優でした。
今、人生という街道を、去って逝かれた菅原紋次郎さんの後ろ姿を、瞑目して想像しています。

ご冥福を心よりお祈りいたします。

トラックバックURL

http://kogarashi1940.blog10.fc2.com/tb.php/313-c5f701a6

この記事へのトラックバック

この記事へのコメント

Re: 日々紋次郎「街道を去り逝く 菅原紋次郎」

お夕さん、お邪魔します。

「街道を去り逝く 菅原紋次郎」表題が粋でござんすねぇ。風景写真も益々腕を上げて趣が素晴らしくため息が出ます。鹿威しの水が滴った表面がわずかにぼやけて、この世のあらゆる事象は夢幻の様に過ぎ去るのみだと感じられます。

映画・菅原紋次郎の2作目「関わりござんせん」は姉のお光が生きていて女郎になり紋次郎を貶める様な展開で紋次郎映画の黒歴史だと憤慨してましたが、それも夢幻の如くに・・・。

最近、自分の紋次郎ブログを読み返すと、小難しい事を真面目に書いてて我ながらあの頃の情熱が懐かしくもあり気恥ずかしくもあります。夢中だったんですねぇ、紋次郎さんに。

今は信長公にうつつを抜かしてやりたい放題、訪問者は女性ファンばかりで気楽です(笑)

  • 20141202
  • おみつ ♦suWcSb.M
  • URL
  • 編集 ]
Re: 日々紋次郎「街道を去り逝く 菅原紋次郎」

時代の移り変わりをひしひしと感じてしまいます。今は、無骨な映画はうけなくて、華奢なものがうけ、男子は強いより、優しさを求められ、こういった強い男がだんだんいなくなっていきます。表面に出ている優しさでなく、つよさのうしろの、優しさに女性が気づけば、(ほんとはみんなそういう男性に魅かれるDNAをもっていますが)また、健さんや文太さんのような男性も出てくるのかもしれません。女が求めれば・・・。
昭和はとっくに去っていますが、だんだんその余韻もうすれていく感じで寂しいです。

  • 20141202
  • てのりぱんだ ♦C/Rcg83E
  • URL
  • 編集 ]
ご冥福を心からお祈り申し上げます

お友さんこんばんは つい先日高倉健さんが亡くなったかと思えば今度は菅原文太さんの訃報を聞いて驚きましたね。昭和の任侠物の双璧をなすお2人が相次いで亡くなるとは…昨日傷だらけの天使のDVD第1話見ていました。子役の坂上忍に対して木暮修(ショーケン)がおじちゃんにもな丁度お前位の子供がいてな、高倉健の健と菅原文太の太をとって健太って名前なんだと言うセリフがありました。この時の脚本の深作欣二さんの実の息子がそのいわれで深作健太という名前だそうです。この当時の健さん、文太さんは男の中の男という強そうなイメージでしたからね。傷だらけの天使のショーケンもかなりカッコいいです。菅原文太さんヤクザ物とかトラック野郎とかちょっと怖そうな役柄で人気でましたが実の文太さんはかなり頭のいい方だったんですね。宮城県でも一二を争う超難関高校の仙台一高卒業と知り驚きました。学年でトップクラスにいないと入れない様な高校です。文太さんも追悼番組で各局代表作放映する事でしょう。仁義なき戦いシリーズかトラック野郎シリーズが代表作なのでそちらが放映されるでしょうが、何処かの局で菅原紋次郎の斜面花は散った放映して欲しいですね。ここ数年で昭和を代表する名優達が相次いで亡くなりさみしいですね。文太さんのご冥福を心からお祈り申し上げます。

  • 20141202
  • ボバチャン ♦-
  • URL
  • 編集 ]
Re: 日々紋次郎「街道を去り逝く 菅原紋次郎」

おみつさま、コメントをいただきありがとうございます。

菅原紋次郎は未見なのですが、お光さんの設定があまりにも……ということを聞き及んで、二の足を踏んでいます。原作とは「関わりござんせん」ということなんでしょう(笑)。
実は1枚だけ、菅原紋次郎のスチル写真を持っています。顔ははっきり映っていなくて、シルエットが格好いいのでオークションで購入しました。大切にしたいと思います。

おみつさんには、いろいろ教えていただきありがとうございました。おかげさまで、今もブログを何とか(笑)継続できています。

信長公が築城した安土城……もしご縁がございましたら、是非おいでください。ご案内いたしますよ。(彦根城のひこにゃんにも会いに来てください)

  • 20141202
  • お夕 ♦wikz35BA
  • URL
  • 編集 ]
Re: 日々紋次郎「街道を去り逝く 菅原紋次郎」

ぱんださま、コメントをいただきありがとうございます。

「昭和は遠くなりにけり」ですね。
菅原文太さんが一世を風靡した頃は、男が男に惚れるような、骨太な映画が多かったように感じます。
今や「男らしさ」は死語になりつつあり、ジェンダーと見なされるところもあるでしょう。

文太さんは、最後まで「男らしさ」を貫かれたと思います。それは、薄っぺらい男らしさではなく、もっと大きく深いもの……人間らしさというか生きる美学というか……。
最後まで格好良かったです。

  • 20141202
  • お夕 ♦wikz35BA
  • URL
  • 編集 ]
Re: 日々紋次郎「街道を去り逝く 菅原紋次郎」

ボバチャンさま、コメントをいただきありがとうございます。

本当に、続いての訃報は驚きました。
最近は、任侠モノの映画は皆無ですね。時代の流れが違うのでしょう。

「傷だらけの天使」……懐かしいです。深作さんの作品だったのですね。当時の憧れの男優さんと、今の男優さんとでは随分タイプが違います。今は、やはりテレビドラマが主流ですので「銀幕のスター」って何?といった感じですね。

菅原文太さんの晩年は、自分の信念を貫いたものだったと思います。気骨とプライドを感じる生きざまは、最期まで格好良かったです。

映画の紋次郎作品が、追悼番組になる……嬉しいような哀しいような、複雑な気持ちです。

  • 20141203
  • お夕 ♦wikz35BA
  • URL
  • 編集 ]
コメント投稿フォーム

管理者にだけ表示を許可する

Paging Navigation

Navigations, etc.

About This Website

/