紋次郎気質

1972年、一世を風靡した中村敦夫演じる木枯し紋次郎。笹沢氏が生み出した紋次郎とを比較しながら、紋次郎の魅力に迫ります。

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日々紋次郎「紋次郎の代役」

日々紋次郎「紋次郎の代役」

日々紋次郎「紋次郎の代役」
私にとって、木枯し紋次郎は「中村敦夫」さんである。平成版紋次郎には「江口洋介」さん、1990年「年末時代劇スペシャル」には「岩城滉一」さん、映画版には「菅原文太」さんがそれぞれ演じられたが、この方々は「代役」ではない。レッキとした主役でいらっしゃる。
では代役とは、どういう方々なのか……。

紋次郎フリークなら誰もがご存じだろうが、中村紋次郎は撮影中にアキレス腱を断裂し、1か月放映が中断された。その間「笹沢左保 股旅シリーズ」とする、オムニバス形式4作品で急場をしのぐ。現場復帰後もしばらく、アクションシーンは代役が紋次郎を演じた。
これも結構有名な話で、そのときの代役が「大林丈史」さん。中村氏より2歳年下、同じく東京外国語大学出身で俳優座、中村氏の後輩にあたる。身長は、中村紋次郎より5センチほど小柄であるが、深い三度笠と長い合羽が幸いして、アクション中は違和感なく収録されている。
「阿藤海(現:快)」さんも演じられたようであるが、こちらはご本人より4センチメートル大柄。中村氏も「少し体型が違う」と評されていた。俳優座を一緒に退団した後輩であり、当時中村氏は、阿藤さんの面倒をよく見ていたようである。

この代役劇については、不可抗力というか、誰もそんな事態になるとは予想していないので、仕方がないことである。

しかし、ここでショッキングな事実(と思われる)がある。紋次郎のオープニング映像の素晴らしさは、誰もが認めるところであるが、このオープニング映像で、少なくとも二人の代役が存在していたのである。
オープニング映像のどれもが心に残るものであるが、特にロケ地の美しさには圧倒される。オープニングの山並みやクネクネ道はいったいどこなのか、という好奇心はファンなら誰もが抱くであろう。
さてそのクネクネ道を歩いていたのは、中村紋次郎ではなく「伊吹新吾(現:剛)」さんである。このあたりは、コアなファンなら周知のことだろう。

だが、オープニングの最初……紋次郎が伊那の山々を背にして、こちらにズンズン歩いてくるシーン。あの紋次郎は、中村紋次郎ではないのである。
前述のシーンが「伊吹紋次郎」だったということも、かなりショックだったが、最初のシーンも代役だったとは、衝撃であり、知りたくなかった感もする。
なんと、あのズンズン紋次郎(笑)は、「大林丈史」さんなのである。
大林さんはオープニングのときから、すでに紋次郎の代役をされていたのであった。

日々紋次郎「紋次郎の代役」

この事実を知ったのは最近で、あるスクラップブックの切り抜き記事によるものである。実は随分前、ネットオークションで、当時の「木枯し紋次郎」ファンが持っていたスクラップブックを入手した。目につく大きな記事だけをボチボチ読んでいたのだが、その中に大林さんのインタビューがあった。
神戸新聞 昭和47年4月11日付「『木枯し紋次郎』虚像と実像の間」というタイトルである。

「大林丈史。三十歳、さる二月のけが(左足アキレスけんを切る」で、いまだにビッコを引く中村敦夫に代わり、立ち回りなど激しい動きのときだけ紋次郎役をつとめる。評判のいいタイトルバックの中も実は『大林丈史』だ。
『去年番組が始まる前、中村さんのスケジュールのつごうがつかず、タイトルバックだけの約束で出たんです。まさかケガが起きこんなこと(吹き替え役)になるとはおもいませんでした。できるだけ彼のマネをするしかないんですが、二人で一つの役というより、一つの役を二人でやり合うのも意味はあるんじゃあないか、って中村さんとも話し合ってるんです』」
(記事から抜粋)

オープニングの撮影は、二班に分かれてロケ地に向かったと聞いている。中村氏は毎日竹林に行って撮影したと話しているので、多分京都の郊外でのロケ隊だろう。
もう一つは伊那方面でのロケ隊。こちらは、広大な風景をロングで撮影している。オープニング映像づくりで、3か月も要したとあったので、当然中村紋次郎が伊那へも向かっていると想像していたのだが……。本編の撮影も急がねばならず、スケジュールの調整がうまくいかなかったのかもしれない。

複雑な思いはあるが、オープニング映像のクオリティーは変わらない。
私の脳内では、歩み来る紋次郎も、山道を往く紋次郎も「木枯し紋次郎」であることには間違いない。


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Re: 日々紋次郎「紋次郎の代役」

お久しぶりです。
そんな事があったのですね。

オープニングが代役って・・・
聞いてみないと判らないですね。

いつもありがとうございます。
では、又♪

Re: 日々紋次郎「紋次郎の代役」

ぶんぶんさま、コメントをいただきありがとうございます。

あのコスチュームですから、顔もはっきりとは見えませんので、ずっとご本人だと思っていました。

知らなかった方がよかったのかも……と思ったりもします。

もともと虚像なんだし……ということなんですけど、ね。

  • 20150604
  • お夕 ♦wikz35BA
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  • 編集 ]
Re: 日々紋次郎「紋次郎の代役」

ご無沙汰しております
あのタイトルバックに、そんなエピソードが隠されていたとは知りませんでした。

https://www.youtube.com/watch?v=n4Smc_9ay5s

ここの55秒辺りのシーンですね
監督が市川崑氏で、カット・カットを繋げる手法なので、まったくわからないですね
そういう見方をすると、感慨深いものがあります
でも、言われてよく見ると、「踵が着いたらすぐ上げる」中村紋次郎の歩き方と微妙に違いますね(笑)


 因みに私は、NHK朝の「まれ」の中で、今現在・等身大の中村敦夫氏が着物姿で能登の漆職人の堅物として出演しているのが嬉しくて、毎日見ています
  

  • 20150607
  • makkun4 ♦UOVyRxkw
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Re: 日々紋次郎「紋次郎の代役」

追伸

下記にアップされていました

https://www.youtube.com/watch?v=wq4_DVuSt7w
    
   

  • 20150607
  • makkun4 ♦-
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Re: 日々紋次郎「紋次郎の代役」

makkun4さん、コメントをいただきありがとうございます。

あのオープニングのタイトルバックは、秀逸ですね。

紋次郎がこちらに向かって歩いてくるシーンと、S字の山道を歩くシーンは、特に印象的でした。

大林さんは、どちらのシーンの代役かは明言されていませんが、伊吹さんは「ロングのときに歩いているのは僕なんですよ。」とインタビューに答えていらっしゃいます。
となると、タイトルバックの始めと終わりのシーンは大林さんなのではないか、と推理したのです。

大林さんは、敦夫さんより5㎝身長が低いので、合羽の長さの調節はされたのでしょうか。1着の合羽を使い回すということはないでしょうから、何着かあったのでしょうね。

じゃあ、三度笠は……といろいろ疑問が湧いてきます。あの三度笠は特注で、職人さんに作ってもらったと、聞いています。

例のスクラップブックには、まだ少しお宝情報がありますので、また記事にしたいと思います。

「スタジオパーク」のご出演の日は、拙ブログをチラ見(笑)された方がいつもより非常に多くて、ビックリしました。
その後はいつものように、閑古鳥ですが……(笑)。
やはり、全国放映の力はすごいですね。

  • 20150607
  • お夕 ♦wikz35BA
  • URL
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