紋次郎気質

1972年、一世を風靡した中村敦夫演じる木枯し紋次郎。笹沢氏が生み出した紋次郎とを比較しながら、紋次郎の魅力に迫ります。

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"紋cafe"でいっぷく「麻吉旅館に泊まる」



"紋cafe"でいっぷく「麻吉旅館に泊まる」

以前から気になってたお宿、伊勢市古市にある「麻吉旅館」。
江戸時代末の五大遊郭の一つとしてこの伊勢の古市は栄えていました。この地は、お伊勢参りの帰路につく旅人たちでにぎわっていたのでしょうが、今ではすっかりその面影もなくなり、この麻吉旅館だけが創業二百年以上の歴史を保っています。
麻吉旅館は、江戸時代はお茶屋として、たくさんの芸妓さんがいたようです。明治時代は、楼上からの眺望がよい料理旅館「聚遠楼」として有名だったそうで、一度は宿泊したいと思っていました。
この初夏、入梅の前に予約が取れ、憧れのお宿に泊まることができました。





この古市は丘陵に位置し坂道が続きます。麻吉旅館はその斜面を利用した懸崖造りという珍しい構造です。



入口はいくつかあり、どこから入るか迷いました。軒先には提灯が並んで下げられていて、華やかさを残しています。



中に入ると、昔の家屋独特の空気感とほの暗さを体感します。



通された部屋は一番見晴らしのいいお部屋でした。縁側から外を眺めると、眼下には新緑の木立が見えます。



以前は庭園があったのかもしれません。意外と近くに伊勢自動車道が見え、その向こうには新しい住宅地が広がっています。この古市が華やかし頃とはずいぶん景色が変貌したでしょうが、改めて丘陵地であることを実感する眺めの良さです。

夕食はお部屋でいただくことができました。奇をてらう豪奢なものではなく、古き良き時代を意識したお料理だと思いました。華やかさはなくとも、心づくしが感じられる品々でおいしくいただきました。



この麻吉旅館の真骨頂というと、やはり夜景にあると思います。夕暮れになり提灯に灯りがともされると、そこはもう異世界です。昼間に見た景色から一変し、古の遊里の妖艶な姿が現れます。三味線や客の嬌声が聞こえてきそうです。



下に続く階段がほんのり灯りに照らされて、闇の向こうは異次元が待っているのではないかと、錯覚しそうです。そう、まさに「千と千尋の神隠し」の世界です。

おいしいお料理とお酒を楽しみ、広すぎる部屋でぐっすり眠り、目覚めたときは野鳥のさえずりが朝を告げていました。住宅が建ち並ぶ場所なのですが、高台に広がる林にはまだ往時のままの自然が残されています。



この麻吉旅館は著名な人々からも愛され、おびただしい数の色紙が飾られています。一体何人の旅人が、この野鳥のさえずりで朝を迎えたことでしょう。とにかく、二百年以上の歴史を持つお宿です。数えきれない旅人の様々な想いが重ねられ、この佇まいの魅力をより深めてくれているのだと思います。



この旅館がずっとこれからも、旅人を迎え入れてくれることを願います。


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裸電球の明かりというのも,いいですね.
拙宅では節電のため照明をLEDに換えましたが,時にはベランダでろうそくのランプを灯したりしています.

薄明かりをしっかりと受け止め,照り返すほどに良く手入れや掃除の行き届いた日本家屋の佇まいですね.

  • 20150816
  • トラの父 ♦-
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  • 編集 ]
Re:

トラの父さま、コメントをいただきありがとうございます。

暗さを楽しむ……というのも、なかなか趣があっていいものですね。

江戸時代の花街は、どのぐらいの明るさだったのか、と思ったりしました。

「遠目夜目、笠の内」ということわざ通り、はっきり見えない美しさというのもあったのでしょうね。





  • 20150817
  • お夕 ♦wikz35BA
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  • 編集 ]
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