紋次郎気質

1972年、一世を風靡した中村敦夫演じる木枯し紋次郎。笹沢氏が生み出した紋次郎とを比較しながら、紋次郎の魅力に迫ります。

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日々紋次郎「紋次郎と生き物」

日々紋次郎「紋次郎と生き物」

日々紋次郎「紋次郎と生き物」
9月5日、「猫侍」の映画を観ました。猫好きな人にはたまらない映画です。「猫に萌えww」の侍役に北村一輝さん。強面ながらコミカルな演技……そのギャップも作品の魅力です。それにしても、この作品のタイトルはインパクトがあって面白いです。ネーミングの妙に脱帽です。

さて、生き物をタイトルにした紋次郎作品も、いくつかありますね。

「女郎蜘蛛が泥に這う」「明鴉に死地を射た」「怨念坂を蛍が越えた」「鴉が三羽の身代金」「三人と一匹の別れ」など……。

「女郎蜘蛛が……」では、最後のどんでん返しで女郎蜘蛛が出てきます。女郎蜘蛛の化身が、陰で糸を引く老母、お甲だったという結末。紋次郎は糸を引いて下りてきた女郎蜘蛛に、楊枝を飛ばします。

「明鴉に……」は剣の使い手である千鶴が、飛び立った鴉に驚き、紋次郎の長脇差に斃れます。鶴が鴉を恐れて……という絡みはちょっと考えすぎかもしれませんが、鴉がいなかったら、紋次郎の方が斃されていたかもしれません。

「怨念坂を……」では、「蛍の源吉」という異名を持つ渡世人が出てきます。源吉は、自分の幼いころといえば、好きだった蛍のことしか思い出せないと、身の上を話します。実際、蛍はストーリー上には出てきませんが、紋次郎のことを「まるで蛍のようだ」と評して、源吉は事切れます。

「鴉が三羽の……」では、三人の渡世人が人質に取られ、身代金を要求されるという展開です。この鴉というのも実際の鴉ではなく、三人の男たちを三羽の旅鴉と見立てたのでしょう。テレビドラマでは、鴉がイメージとして、合間にチラッと出ましたが……。

「三人と一匹の……」では、赤犬の出現から話が始まり、最後はその赤犬に紋次郎は見送られます。

日々紋次郎「紋次郎と生き物」

他に、タイトルには生き物の名前がないのですが、生き物が印象的な役割を果たす作品もあります。

「湯煙に月は砕けた」の冒頭部、暴れ馬から娘を救うため負傷する紋次郎。

「馬子唄に命を託した」のエンディングは、馬の背に傷ついた身体を預ける紋次郎。

「木枯しは三度吹く」での牛は意外な下手人…いえ下手牛(笑)。

「四つの峠に日が沈む」では、犬が紋次郎の助っ人(犬)となります。

「賽を二度振る急ぎ旅」では、怪しい猿回しが出てきます。

「夕映えの嫁入り」では、マムシから幼子を救う紋次郎。

結構たくさんの生き物が登場していますが、猫はいなかったように記憶しています。

他に、テレビドラマの「雪に花散る奥州路」では、山道で猪に急襲され負傷する設定がありました。
同じくテレビドラマでは、未確認生物体で「天狗」と恐れられた異形の人間もいました。

私が原作で一番印象に残るシーンは、「湯煙に月が砕けた」のエンディングです。紋次郎のために命がけで長脇差を持ってきた湯女のお久。その骸の頭にとまる蛾。その蛾の胴に、紋次郎は楊枝を飛ばします。
静寂の中、命を落とした名もなき湯女と華やかさのない蛾の死。
蝶でもなく蜻蛉でもなく、蛾を選んだ作者笹沢氏の感性に敬服します。


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Re: 日々紋次郎「紋次郎と生き物」

お夕さん,こんばんは.

実は寅さんは現在闘病中で,私もその戦いに一緒に参戦しています.詳しいことは,折々私のブログで書かせていただきます.

今回まとめられた生き物は,皆,どこか紋次郎の野生的な生命と重なり合う気がします.時に自らを癒しながら,果てるまで生き続ける動物の姿が彼自身のような気がします.

  • 20151001
  • どこかのだれか ♦-
  • URL
  • 編集 ]
Re: 日々紋次郎「紋次郎と生き物」

どこかのだれかさま、コメントをいただきありがとうございました。

そうでしたか。寅さんのお加減が悪いんですね。ご心配なことです。お大事になさってくださいね。

紋次郎の剣法は、まさに野生の本能そのものです。
生まれ、行き抜き、死ぬ……生きとし生けるものは、すべて自然のサイクルの中にいるわけですね。

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