紋次郎気質

1972年、一世を風靡した中村敦夫演じる木枯し紋次郎。笹沢氏が生み出した紋次郎とを比較しながら、紋次郎の魅力に迫ります。

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“紋Cafe”でいっぷく「盤嶽の一生」(2002年)

“紋Cafe”でいっぷく「盤嶽の一生」(2002年)


“紋Cafe”でいっぷく「盤嶽の一生」(2002年)
当時の放映は不覚にも全く知らなかったのだが、時代劇専門チャンネルやBSフジ等で再放送されて存在を知った。
主演の役所広司さんと市川崑監督といえば、「どら平太」(2000年)が思い出される。
スタッフ陣を見ると、かぶっている名前がズラリ。同じにおいがする時代劇ドラマである。

このテレビ作品は、製作されてからオンエアされるまで2年ほどお蔵入りしていたというエピソードつき。ということは、「どら平太」とほぼ同時期に作られていたのだろうか。

さて、この作品は「木枯し紋次郎」のオマージュかと思えるくらい共通点があるのだ。

タイトルが紋次郎と同じく活字体。
タイトルロールの始まりは紋次郎がズンズンこちらに歩いてくるが、盤嶽も同じく一本道を歩いてくる。
紋次郎が振分け荷物を忘れ取りに帰るが、盤嶽は笠を取り落としそうになる。
神社の舞殿で横になる姿は紋次郎と全く同じ。もしかしたら撮影地も同じかもしれない。酷似している。
紋次郎は蒲が生い茂ったところを歩き、盤嶽も葦原を歩く。
紋次郎は竹林で身を躍らせるが、こちらは竹林が風に揺れるショット。
タイトルロールの最後、紋次郎はこちらに向かって歩いてくるが、盤嶽は画面手前から去っていく。

盤嶽の方がタイトルロールが短いのだが、紋次郎ファンであれば、「あれも、これも似ている!」とすぐに気づくはずだ。間違いなく市川監督は紋次郎を意識して作っている。

紋次郎も盤嶽も一人旅で、定住はしない。かたや渡世人、かたや素浪人と剣法は違えど腕が立つ。

“紋Cafe”でいっぷく「盤嶽の一生」(2002年)

ここまでは相似点をあげてきたが、この二人の人物像は全く違う。
一言でいうと、紋次郎は「人を信じず関わりを拒む」が、盤嶽は「人を信じて関わってしまう」。盤嶽はとにかく嘘と曲がったことは大嫌い。直情的で喜怒哀楽が激しく、無口で無表情な紋次郎とは対極にいる。バカがつくほどお人好しで、困っている者を見捨てておけず関わってしまい、最後はいつも騙されてしまう。騙されて大声で吠えまくり、怒り心頭なのに、また懲りずに騙される。時には騙されたことに気づかず、去っていくことも……。これだけ騙されても、学習能力が欠如しているのか(笑)、人を疑うことを知らない盤嶽。
紋次郎は人を信じない……しかし、騙されることも多々あり。ということは、どちらにしても、騙される時は騙されるのである。

対極にいる二人だが、共に自分なりの掟を持っていることは同じ。人との関わりに対しては冷ややかな紋次郎だが、一旦引き受けたことに対しては律儀に貫徹する。

紋次郎を「陰」とすれば、盤嶽は「陽」。ドラマの世界観は全く違うが、人としてコアな部分は同じだと思う。それは「仁」であり「義」であろう。

市川崑監督は人間味溢れる盤嶽に、対極にいる紋次郎と同じように愛着を感じたのだと思う。ネガとポジ……全く逆でありながら、人としての本質は同じであり、どちらの人物にも魅力がある。


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