紋次郎気質

1972年、一世を風靡した中村敦夫演じる木枯し紋次郎。笹沢氏が生み出した紋次郎とを比較しながら、紋次郎の魅力に迫ります。

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日々紋次郎「悪女列伝~おりん」

日々紋次郎「悪女列伝~おりん」

日々紋次郎「悪女列伝~おりん」
帰って来た紋次郎シリーズの作品に出てくる悪女、おりん。タイトルが「悪女を斬るとき」というだけあって、正真正銘の悪女である。

おりんは元は醤油醸造の大店、「岩木屋」のお嬢さん。それがある日を境に、急に人が変わったように荒れはじめる。昼間から大酒を飲み、博奕に手を出し、子分のように渡世人を引き連れ暴力を振るう。男と外泊し家にも寄り付かない。しまいには蔵の中から、二百両もの大金を盗み出すわ、船頭を半殺しにするわで、おりんは十七歳の娘でありながら追出久離となり人別帳から外される。いわゆる、無宿人となったわけである。

おりんの容姿が次のように記述されている。

「色白で面長、形のいい鼻と唇、眉間より少しばかりうえにある豆粒大のホクロ、どことなく気品のある顔立ち、切れ長の目と、観音像を思わせる美人。」(原作より抜粋)

観音菩薩を思わせる美しい容姿だが、中身は菩薩ではなく鬼……人は、おりんのことを鬼観音と呼ぶ。

このおりんを紋次郎は、五年間に三度も見かけている。そのいずれもが殺人現場。おりんは実母とその密通相手の男、そして飯盛り女としての客の男を、金目当てで殺した。
いずれもその現場に、紋次郎が居合わせていたのだ。奇遇ではあるが、いつも殺人現場を紋次郎に見られているとは……おりんもゾッとしたことだろう。

そして今度は、おりんは老親分の万蔵に近づき、一家を乗っ取ろうと企む。そこへ紋次郎が、病の万蔵の見舞いのため草鞋を脱ぎ、四度目の出会いとなる。

日々紋次郎「悪女列伝~おりん」

悪事の限りを尽くすおりんであるが、なぜここまで人格を貶めたか……。

事の始まりは、実母と船頭の密通を目撃したことである。女房の密通は死罪と決まっているが、おりんは訴えることもできず、耐え忍ぶ。そのうちにこの世の人間を憎むようになり、みんなを苦しめ困らせるために放蕩三昧し、挙句の果てに帳外……女無宿人となったと打ち明ける。母親の不倫が引き金になって、ここまでの悪女になったというのだが、少し無理があるようには思う。

実の母親に裏切られたというショックで、ここまで転がり落ちるのだろうか。親殺しに放火となれば死罪は確実……毒を食らわば皿まで、というのだろうが若い娘がここまでやるとはなかなかである。女版「鬼の十兵衛」ともいうべきか。

タイトルは「悪女を斬るとき」ではあるが、紋次郎は女を斬る長脇差は持たない。命乞いをする悪女、おりんの笄に楊枝を飛ばし、乱れ落ちた黒髪に長脇差を走らせる。女にとって、命でもある髪をバッサリ斬り落としたのである。おりんは気を失って倒れる。

気がついた後、悪女おりんはどうするのであろうか。願わくば、今までの悪事を悔いて生まれ変わり、仏門にでも入ってくれればと思う。その後のおりんについての消息は、記述されていない。

人の子を喰らっていた鬼子母神が、釈迦の諭しで仏教に帰依し善神になったように、鬼観音が心を入れ替え、観世音菩薩になったのであれば救われるのだが……。


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