紋次郎気質

1972年、一世を風靡した中村敦夫演じる木枯し紋次郎。笹沢氏が生み出した紋次郎とを比較しながら、紋次郎の魅力に迫ります。

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日々紋次郎 「一家の掟」

日々紋次郎 「一家の掟」

日々紋次郎 「一家の掟」
紋次郎兄貴は一匹狼。どこの一家にも属しておりやせん。それどころか、滅多なことでは一宿一飯の草鞋を脱ぐこともござんせん。
苦い経験を何度かしておりやすんで、いろんなしがらみが嫌なんでござんすねえ。

親分と子分の関係というものは絶対的なモノで、一家には大体同じような掟がごさいやす。
格好良く言いやすと「任侠道」「仁義道」と申しやすか。

一、 親分の言いつけは絶対である。たとえ白を黒といわれても服従しなけ
    ればならぬ。
一、 脇差は差すな。
一、 他人の女に手を出すな。
一、 博奕は金を儲けることを目的とするな。
一、 喧嘩を売ってはならぬ。
一、 酒を飲んで賭場に入るな。
一、 道を歩く時は、肩で風を切るな。

もっともな感じは致しやすが、紋次郎の作品に出てくる一家の者は、チェックリストでいきやすとほとんど×という結果でござんすねえ。

博徒の収入はテラ銭……テラ銭を増やすには賭場に客が来ないといけやせん。まさに、「お客様は、神様です」。賭場に足を向けてもらうには、一家に親しみさえ持ってもらわねえといけないんで、こんな掟があったようでござんす。
しかしながら他の一家や縄張りを荒らす輩については、上記の掟はあてはまらなかったようでござんす。縄張り争いでの、喧嘩、暴力、殺人なんざは日常茶飯事で……。

「侠客」といいやしても時代によって、かなり質が違いやした。
江戸時代の初期から中期あたりは、「男伊達」を旨とした集団で、市民を脅かす旗本や下級武士の横行から市民を護る立場だったようでござんす。
しかし幕末になりやすと農村、山村、漁村出身が多くなり、博奕で堅気衆を食いモノにする集団となりさがったようでござんす。従って子分の質も悪くなり、お粗末な状態だったようでござんす。縄張り争いからの出入りが頻発したのもこの時期……丁度紋次郎兄貴が旅暮らしをしていなすった時期でござんす。
            (参考文献「日本侠客百選」今川 徳三氏 著)

さて、上記の掟を紋次郎兄貴にあてはめやすと……。

一、 親分の言いつけはありやせんが、約束した言いつけごとは絶対守り
    やす。
一、 脇差……これがねぇと生きていけやせんので、この点は無理でござん
    す。
一、 女に手を出すような悠長な日は一日だってござんせん。
一、 博奕は必要以上に儲けやせん。
一、 売られた喧嘩もできるだけ避けようとしやす。無益な殺生もいたしや
    せん。
一、 酒はどこであろうと飲みやせん。
一、 道を歩くときはできるだけ端を歩きやす。

さすが、兄貴でござんす。高得点で……。
兄貴はこの他にも、己で決めた鉄則がいくつかございやす。もっと楽に生きられるだろうに、なぜこんなにも己に厳しいのか、と思われるほどの強い規範意識をお持ちでござんす。そんな兄貴から言いやすと、こんなモンは掟じゃなくて当たりめぇのことなんでしょうねぇ。

あっしも見習いてぇと思っておりやす。
へい、ご免なすって。

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Re: 日々紋次郎 「一家の掟」

お夕様。こんばんは。
一家の掟、面白かったです。(*^_^*)でも、本当に紋次郎に出てくる親分子分は任侠にはほど遠い輩ばかりです。義理人情とか言うけれど、実際はかなり裏切りとかあったみたいですね。
紋次郎には笹沢氏、市川監督が男が惚れる男の美学のようなものを感じます。
強くなければ生きていけない。優しくなければ生きる資格がない・・なんかこんなフレーズがありましたが(笑)
まさに紋次郎その人みたいです。最近、精神科医の香山リカの「すがりつかない生き方」と言う本がベストセラーになっているそうですが、それって反面いかに何かに依存している人が多いか・・って事ですよね。紋次郎に「甘ったれちゃいけやせんぜ」って一喝されそうです。
紋次郎こそ私の生きる規範かも。精神的にこうありたい・・って言うね。

  • 20090831
  • sinnosuke ♦SYpZ2H2I
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Re: 日々紋次郎 「一家の掟」

お邪魔いたしやす。
江戸時代初期には男気のある仁侠映画のヒーローみたいなのが実際いたんですねえ。
幕末の頃にはだんだん質が落ちてきて、それが今現在に至ってるわけですか。
紋次郎さんは一家に属してないのですが、それ以上の掟を己で律していなさる。
なかなか出来るこっちゃありません。
ヤクザは男を売る稼業なんていいますが、まさに渡世人が買う渡世人。男が惚れる男ですから
女が惚れねえわけがござんせん。

Re: 日々紋次郎 「一家の掟」

お夕さん ちょっと寄らせていただきます。
紋次郎氏のことは詳しくないのであまり発言できませんが、任侠というと「幡随院長兵衛」を連想します。
恐らく後世の方々が様々な武勇伝を作ってイメージアップされたのだとは思いますが、火のないところに煙は立たず(ちょっと意味が違いますか…)で、それなりに男っぷりのいい親分さんだったのだろうと思います。
何れにしても、私利私欲では動かず、自分にストイックな生き様を貫こうとする男衆の姿に、古今東西だれしもが魅かれるんでしょうなぁ。
中村紋次郎の 格好付けず生々しい一挙一動に目を奪われる私も、その中の一人なんでしょうねぇ。

  • 20090901
  • マイタ ♦B2BsuZNw
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Re: 日々紋次郎 「一家の掟」

sinnosukeさま、いつもコメントをいただきありがとうございやす。
紋次郎兄貴の生き様は、今の世の中、一番見習わねぇといけねぇように思いやす。
あっしも含めて、手めぇには甘く、他人様には厳しい輩が多いんで。
みんながもたれ合いながら生きているって感じですかねぇ。
自立して生きることって、本当に難しいモンでござんすねぇ。
日々反省の毎日でござんす。

  • 20090901
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: 日々紋次郎 「一家の掟」

桐風庵さま、コメントをいただきありがとうございやす。
まさしく男が惚れる男、格好良すぎやす。
一本筋が通った人間というのはブレがなく、己を信じ己だけを頼りに行動し、言い訳なども一切致しやせん。強者には強く、弱者には優しく(それもさりげなく)、報われなくても落胆せず、己の道を独り歩む姿。
格好良く生きるってこういうことなんですぜ、と兄貴は黙って背中で教えていなさると思いやす。
自分の一つしかねぇ命を、自分で絶つお人が多い世の中、もしこの作品に出会っていなさったら、人生変わったんじゃねぇかと思いやす。

  • 20090901
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: 日々紋次郎 「一家の掟」

マイタさま、草鞋を脱いでいただきありがとうござんす。
今の世の中、自分が得することだけを考え、上手く立ち回る輩が「できる男」「勝ち組」などと、もてはやされているように思いやす。
他人様から見たら馬鹿な野郎だと思われても、「泥臭く、愚直に生きる」ことの崇高さを、紋次郎兄貴の生き様からいつも感じやす。
損得勘定で動くお人は、一時は良くても、いずれ見透かされ足もとをすくわれやす。
お天道さまは、きっといつも見ておられると思いやすねぇ。

  • 20090901
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: 日々紋次郎 「一家の掟」

お夕様。こんばんは。
昔の人がよく言う「お天道様」って別の見方をすれば、自分自身。「良心」ってことですよね。
誰にも分からなくても、後ろめたい事や悪事に手を染めればそれは自分自身は知っている。と言うことです。やはり自分を偽らない、自分に恥じない生き方をしたいものです。誰が見ている・・ではないですよね。紋次郎は語れば語るほど奥が深いです。

  • 20090901
  • sinnosuke ♦Mf4VKWco
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Re: 日々紋次郎 「一家の掟」

sinnosukeさま、いつも草鞋を脱いでいただきありがとうござんす。
「お天道様」が死語になりつつある今、もう一度この言葉の意味を考えてもようござんしょうねぇ。
ちまたの学校現場では「道徳」を重視するよう、お上からのお達しが回っておりやすが、「お天道様」を教える方が効果的だと思いやす。
自分をごまかさず、真っ当に生きることは、いつの時代でも大事なことでござんすねぇ。

  • 20090902
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: 日々紋次郎 「一家の掟」

お夕さん、おはようございます
『日々紋次郎』いつも楽しみに拝読しています。

一家の掟を紋次郎兄ぃに当てはめたものを
さらに自分に照らしてみると
足りないものや余計なものが見えてくる気がします。
日々の生活の中で、どうしたもんかと悩むことも出てきます。そんなときは、
「紋次郎兄貴なら、どうするだろう…」
と考えてみることにしています。
答えが出ないこともありますが、少なくとも、自分の置かれている状況が大したことじゃないということに気づかされます。
いつも心に紋次郎
をキーワードに人生の旅を歩いていこうと思います。

  • 20090903
  • 猫わん ♦19i8IDvU
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Re: 日々紋次郎 「一家の掟」

猫わんさま、コメントをいただきありがとうございやす。
「いつも心に紋次郎」
キャッチコピーとして秀逸でござんす。ありがとうござんす。
人の目が気になったり、人を羨んだり、人と比べたり……長く生きていると、嫌な埃がたまってきやすねぇ。
「心に紋次郎」を掲げていやすと、下衆の考えだと気づかされやす。
紋次郎兄貴の足もとにも及びやせんが、いつも紋次郎気質を意識したいと思っておりやす。

  • 20090903
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: 日々紋次郎 「一家の掟」

お夕様。こんばんは。
気に入った文章などをファイルしてあるのですが、その中で一つ。
山谷えり子さんと言う方の書かれた物です。

 小学校卒の私の祖母は
「受けた恩は石に刻み、かけた情けは水に流せ。人間は恩返しせなあかん。役得ではなく役損出来るようにならなあかん。たくさん役損できる人間が上等もんや」と言っていました。懐かしく耳に痛い言葉です。
山谷えり子の「井戸端トピックス」より

今は、学校の成績よりこう言う教えをする人がいなくなりましたね。人より少しでも得をして、勝ち組とか負け組とかばかりで評価して。((+_+))何かが間違っている気がします。「いつも心に紋次郎」とても良いですね。(*^_^*)

  • 20090903
  • sinnosuke ♦GZgNVSBU
  • URL
  • 編集 ]
Re: 日々紋次郎 「一家の掟」

sinnosukeさま、コメントをいつもいただき、お礼を申し上げやす。
人間の値打ちというのは、どこで計るのかということでござんすね。
人知れず、他人さまのために黙々と行動しておられる方々……。頭が下がりやす。
誰のためでもない、内から自然ににじみ出る本当の優しさを備えた人間になりたいモンでござんすが、まだまだ修行が足りねぇ身でござんす。
自分が苦境に立たされたときこそ、自分の値打ちが試されるときだと、肝に銘じてぇと思いやす。

  • 20090904
  • お夕 ♦wikz35BA
  • URL
  • 編集 ]
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