紋次郎気質

1972年、一世を風靡した中村敦夫演じる木枯し紋次郎。笹沢氏が生み出した紋次郎とを比較しながら、紋次郎の魅力に迫ります。

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しくじり紋次郎「人違い」

しくじり紋次郎「人違い」

しくじり紋次郎「人違い」
数多い紋次郎作品の中で、紋次郎が人違いをすることがある。

「木枯しの音に消えた」では、紋次郎が二十歳前の頃、手負いの身体を預けた源左衛門宅。そこには源左衛門の娘「志乃」がいた。志乃は楊枝を笛のように吹き鳴らすことができ、紋次郎は逗留中に志乃から教わり、楊枝を吹き鳴らすことができるようになる。紋次郎が「木枯し紋次郎」となる由縁の重要人物である。
そんな幼い志乃はその後、身売りされる。紋次郎は売られた先の旅籠の名前を「田丸屋」と教えられ玉村宿に足を向け、そこで志乃がもうすぐ身請けされると聞く。しかし、本当は田丸屋ではなく「村田屋」で、すでに志乃は死んだとお豊から教えられるのだが……。たまたま隣同士の旅籠屋に同じ名前の飯盛り女がいたため、紋次郎は人違いをしてしまったのだ。だが本当の志乃は……というドンデン返しが肝。

「背を陽に向けた房州路」は、小仏の新三郎の話を翻案したテレビ版。以前、恩を受けた「深雪」が悪党に人質にされていると聞き助けに行くのだが、結局人違い。実は、深雪に借りを返すという紋次郎の義理堅さを、うまく利用した百姓たちの奸計であったのだ。

しくじり紋次郎「人違い」

「駈入寺に道は果てた」では、源兵衛一家の姐さん「お染」とその下女「お松」とを間違える。お染は縁切りをするために「満徳寺」に逃げ込もうとする。その道中、下女のお松と入れ替わって、追手の目をくらまそうとしたのだ。紋次郎は、お染たちに騙されたという訳である。


原作にはなくテレビドラマ用に作られた「九頭竜に折り鶴は散った」。紋次郎はお春の身請けの金三十両を、人違いをして姉のお秀に渡してしまう。昔、お春たちの窮地を見殺しにした負い目からか、いつもの紋次郎の思慮深さはなかったようだ。


原作は勢五郎が主人公である「木っ端が燃えた上州路」を翻案したテレビ版。以前、腹痛で難儀していたとき、紋次郎は薬を手渡される。通りかかったのは「鬼勘」こと藤岡の勘蔵。達磨の根付がチラリと見える。本当は薬を渡した人物は「仏の武兵衛」と呼ばれる貸元なのだが、この武兵衛が鬼勘の名前を騙ったことで、紋次郎は人違いをしてしまうのだ。本の気紛れで、敵対する貸元の名前を騙ったのだ。仏が鬼を装ったのだがその実、正真正銘の鬼だったというオチ。

しくじり紋次郎「人違い」

最終的に紋次郎は見破るのでしくじりとは言えないのだが、「霧雨に二度哭いた」の双子のお六。お六は死んだお七の身代わりとなって騙そうとする。

「人斬りに紋日は暮れた」での紋次郎は、追手と間違って猟師の娘である「お香」を斬ってしまう。これは正当防衛に当たるだろうが、堅気の娘を疵物にしたという負い目を引きずることになる。


利益のため、本人や周囲の者が騙そうとするパターンもあれば、やむにやまれぬ事情の場合もある。紋次郎も人の子なので騙されることもあるが、騙す側より騙される側になる方がまだ良いのかもしれない。


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Re: しくじり紋次郎「人違い」

台風一過となればありがたいのですが、
ノロノロ台風は居留まって猛威を振るう恐れがあります。気を引き締めて近江の財産を守ってください。。
【紋次郎さん】も継続の鏡ですねー。☆

  • 20170808
  • 荒野鷹虎 ♦-
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Re: しくじり紋次郎「人違い」

鷹虎さま、コメントをいただきありがとうございます。

台風一過の爽やかさはなく、蒸し暑い日が続きます。今年の夏も厳しい暑さですね。

夏と言えば高校野球!
湖国からは彦根東高校が第一試合に出場し、さよなら勝ちをしました。県立高で屈指の進学校。文武両道の誉れ高き活躍で、県民も喜んでいます。
タイガースもがんばって欲しいものです。

  • 20170809
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: しくじり紋次郎「人違い」

騙されたり人違いして傷ついた経験から、人と交わるのを避けるようになっちゃったのかなあ。だとしたらけっこうナイーブ。

  • 20170823
  • カノッチ ♦-
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Re: しくじり紋次郎「人違い」

カノッチさま、コメントをいただきありがとうございます。

カノッチさんのご推察、当たっている部分が大きいと思います。
信じるから裏切られる。ならば、人を信じない、頼らない、関わらない……そうなるのも無理からぬ渡世でしょう。
本来は、ナイーブな性格だったと思いますが、様々な修羅場をかいくぐる中、虚無の境地に至ったのでしょう。
まさに「心はむかし死んだ~♪」

  • 20170823
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: しくじり紋次郎「人違い」

いつも興味ぶかく読ませてもらってます. (お礼)
今回の3枚の写真,そうとうシブいですね,とくに3枚目の それこそ紋次郎が風のように歩いて来そうなふんいきですよね!

Re: しくじり紋次郎「人違い」

高崎の三下奴さま、コメントをいただきありがとうございます。
こちらこそ拙文を読んでいただき、お礼申し上げます。

1枚目と3枚目の写真は妻籠宿のものです。雨の宿場は風情がありますよね。
1枚目のお店の屋号は「丸田屋」……「田丸屋」ではなく残念(笑)。

  • 20170826
  • お夕 ♦wikz35BA
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