紋次郎気質

1972年、一世を風靡した中村敦夫演じる木枯し紋次郎。笹沢氏が生み出した紋次郎とを比較しながら、紋次郎の魅力に迫ります。

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日々紋次郎「干支づくし」

日々紋次郎「干支づくし」

日々紋次郎「干支づくし」
先日、TOKIさんの作品展での雑談の中で、来年の「干支」の話が出ました。そのとき、何気なくTOKIさんが「紋次郎と干支を絡めたら?」というご提案。しばらく一緒に考えておりました。知らない人が聞いたら、全く意味不明だったと思いますが(笑)、当の二人は真剣そのものでした。
ということで順番に絡めてみます。

子(ね)……初っ端から困りました。ありません……仕方なくネズミなので「チュウ~忠」といえば、「二度と拝めぬ三日月」の「国定忠治」や「生国は地獄でござんす」の「忠七」といったところでしょうか。

日々紋次郎「干支づくし」

丑(うし)……牛が下手人の「木枯しは三度吹く」や伝説の赤牛の「獣道に涙を棄てた」。

寅(とら)……「霧雨に二度哭いた」の「駒形新田の虎八」。大前田八人衆の一人で、眼光するどく、ビームを放つ(笑)。
そしてもう一人同名の「鬼虎」と呼ばれる「野沢の虎八」が出てくるのは、「白刃が消した涙文字」です。この虎八は紋次郎と同郷の音吉の妹、お絹に横恋慕し襲おうとしますが、紋次郎に深手を負わされます。

卯(う)……「冥土の花嫁を討て」に登場する「うわばみの卯兵衛」は、酒が切れると全く気弱になる肝っ玉の小さい男。
「木っ端が燃えた上州路」の「卯之吉」も卑怯な代貸で、最終的には三下の伝八に斬られます。

日々紋次郎「干支づくし」

辰(たつ)……なかなか見つかりませんでした。あえて言うなら「九頭竜に折鶴は散った」や「龍胆は夕映えに降った」の「竜・龍」関連でお許しを……。ちなみになぜ龍の胆と書くのか?ですが、リンドウの根は漢方薬で胃薬だそうです。その味がかなり苦いということで、まるで龍の胆汁のようだ、ということで名付けられたとか……。

巳(み)……「女人講の闇を裂く」の巳之吉は、悲運の星の下に生まれました。「二十で死のうと五十で死のうと、大した変わりはねえのさ。生まれて来たときから、そう定められていたんだからな。お前とおれが、どうしても一緒になれなかったのと同じさ。」巳之吉最期の言葉です。
「恋の闇路を見送った」にも「巳之吉」が登場します。この巳之吉は上田の呉服問屋「柏屋」の手代で、女主「おすみ」に付き添い「峠花の小文太」を捜します。
原作では出てこなかったのに、テレビ版では蛇が印象的なのが「年に一度の手向草」。梅吉の屈折した性格を表わす手段だったのでしょうか。
咄嗟の機転でマムシから幼子を救ったのは「夕映えの嫁入り」でした。

午(うま)……「馬子唄に命を託した」は、そのものズバリのタイトル名。
紋次郎が馬に乗って疾風のごとく駆け抜けるのは、「水神祭に死を呼んだ」。
暴れ馬からお市を助けるために膝を負傷したのは、「湯煙に月は砕けた」。
「大江戸の夜を走れ」の原作では、甲州街道で浅草に向かう馬の背の荷駄に、楊枝を飛ばし緋色の扱き帯を留めるシーンが出てきます。
「唄を数えた鳴神峠」ではラストに、紋次郎と茂吉は相討ちになります。紋次郎は左の肩口を割られ、茂吉は左胸を刺されます。紋次郎は事切れた茂吉を乗せた馬の尻に楊枝を飛ばし、茂吉を待つお秀のもとに走らせます。紋次郎はそれを見届けてから、鳴神峠の頂上で横たわります。お秀の唄声が流れ、「ああ、これが紋次郎の最期か……。」と切ない喪失感を感じた思い出がありました。
子馬は駒とも言いますので、「お駒さん」の登場……「笛の流れは三度まで」(テレビ版)、原作名は「笛が流れた雁坂峠」。女郎のお駒さんたちは、可哀そうな最期でした。

これはこぼれ話ですが「白刃を縛る五日の掟」に出てくる吉五郎は後の「神戸の長吉」。原作では「馬の吉五郎」という異名を自分から名乗っています。その後、馬のように顔が長いため「長吉」となったとか……。これは実在した侠客です。

未(ひつじ)……残念ながら、「羊」は登場していないようです。当時日本では「羊」は、ほとんど飼育されていなかったようです。羊毛は海外から持ち込まれていたようですが……。

日々紋次郎「干支づくし」

申(さる)……「賽を二度振る急ぎ旅」に出てくる猿。賞金首がかかった稲妻の音右衛門の命を狙う「猿(ましら)の弥助」は、猿回しという設定でした。

日々紋次郎「干支づくし」

酉(とり)……タイトルでは「明鴉に死地を射た」と「鴉が三羽の身代金」です。特に「明鴉……」では「千鶴」が実は剣豪だったというドンデン返しがありました。
鶴つながりで探しますと「折鶴に甘い露を」とテレビ版では「九頭竜に折鶴は散った」があります。
また、「お鶴」が出てくる話は「命は一度捨てるもの」での紋次郎の幼馴染の女、「鬼が一匹関わった」では、同名の幼女、お鶴がいますね。
鶴がつく渡世人に「七面山の鶴松」がいます。「やってくんねえ」という一風変わったタイトルの原作に登場する鶴松は、正真正銘の上州長脇差。毒キノコを盛られた鶴松は、紋次郎に「やってくんねえ」と頼み、上州長脇差として死を選びます。

戌(いぬ)……紋次郎という名前の犬が登場するのは「四つの峠に日が沈む」。この犬の紋次郎は、ラストで紋次郎の窮地を救います。「三人と一匹の別れ」では冒頭とラストに赤犬が出てきます。

亥(いのしし)……「峠に哭いた甲州路」に登場する「お妙」は、猪に襲われて片足を奪われました。
「雪に花散る奥州路」では、紋次郎が猪に右腕を牙で突かれて崖から落ちます。どちらの作品も原作は紋次郎シリーズではありませんが、テレビドラマ用に翻案されています。

干支にちなんだものたちが数多く出てくるのですが、干支以外で不思議と登場のないものに、「ネコ」がいます。犬と同様に出てきそうなものですが、ネコは話の中には出てこないんですね。今、ネコを扱ったものが巷にあふれかえり、何度目かのネコブームですが、江戸時代でももちろんネコはいましたし、ブームになった時期もありました。愛玩としてはなく「ネズミ駆除」ということで、養蚕農家では重宝されたようです。しかしその数は、需要と供給面から考えますと少なかったようです。
紋次郎が往く街道筋には、ネコはいなかったのでしょう。

日々紋次郎「干支づくし」

おまけ……上記の写真は、隣家に住まいする「ネコ」という名前の猫です(ややこしい)。

もっと細かく探せば、まだネタはあると思いますが……この辺で。


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