紋次郎気質

1972年、一世を風靡した中村敦夫演じる木枯し紋次郎。笹沢氏が生み出した紋次郎とを比較しながら、紋次郎の魅力に迫ります。

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しくじり紋次郎「長脇差奪還」

しくじり紋次郎「長脇差奪還」

しくじり紋次郎「長脇差奪還」
前回は折れた長脇差だったが、今回は盗られる、奪われる編。紋次郎が長脇差を手放すということはまず無いことであるが、敵に捕らわれると必然的に奪われる。

「湯煙に月は砕けた」では、膝を負傷し療養していた湯治場に悪漢がやって来る。湯堰に隠しておいた長脇差は奪われてしまい、丸腰の紋次郎は相当痛めつけられる。後に湯女の「お久」が命と引き替えに敵から長脇差を奪い返し、紋次郎に手渡す。「紋次郎さんの役に立って、わたしは嬉しいよ」……これがお久の最期の言葉である。泣ける。

「土煙に絵馬が舞う」では、農夫たちに紋次郎は捕らわれ縛り上げられる。無頼の徒、黒部の銀蔵の手下と間違われてのことだった。炎が迫る中、少しずつ緩んできた荒縄をほどき、紋次郎は床下に投げ捨てられていた長脇差を手にする。そして危機一髪、放心状態のお花と共に、焼け落ちる寸前の家から逃げ出す。

「笛が流れた雁坂峠」では、佐久の庄助一家にあらぬ疑いをかけられ襲われる。飛んできた丸太棒を避けると同時に、紋次郎は山の斜面を転がり崖から落ちる。気がついたときには、紋次郎の腰には錆朱色の鞘しかなかった。介抱してくれた女郎たちが隠したのである。
女郎たちは追分宿の「巴屋」から逃げ出し、峠を越えようとしていた。自分たちと同行してくれるなら、抜き身の長脇差を返すと交換条件をつける。結局、「ついて来るだけなら」という条件で、隠された長脇差は返される。
しかし、なんとその抜き身は、巨漢の女郎「お玉」の太ももに挟まれていたのである。野天なので他に隠し場所がなかったのだろうが、びっくり仰天である。

しくじり紋次郎「長脇差奪還」

「砕けた波に影一つ」ではシージャックに遭う紋次郎。盗賊「お高祖頭巾の勝五郎」の一味たちは、乗り合い船の客から武器になる物をすべて取り上げて、海に投げ込む。紋次郎も長脇差を取られるのだが、「捨てるのは惜しい」と目利きされ、一味の浪人源之丞の腰に落とし込まれ、海の藻屑になるのは免れる。
そのときの刀は「一里塚に風を断つ」の直光作のもの?いやいや、鳴神峠で折れているのでそうではない。その後手に入れた長脇差も、なかなかの値打ちものだったのだろう。やはり刀は業物を持つ方がいいのだと納得。
幸運にも船に乗る前、人違いで襲ってきた若者から取り上げた匕首が紋次郎の懐には残されていた。駆け落ち者が心中するというドサクサに紛れて、紋次郎は敵の隙を突き、匕首で源之丞を襲って長脇差を奪還する。

「二度と拝めぬ三日月」、こちらもあらぬ疑いで捕らわれる紋次郎。それも超大物、国定忠治一家にである。長脇差、三度笠、振分け荷物、三点セットすべてを取り上げられ、土蔵の二階に監禁される。
一時は紋次郎の恩人を、叩っ斬らないと命は無いと忠治に迫られピンチとなるが、ドンデン返しが待っていた。最終的には、疑いは晴れて紋次郎は放免され、忠治と永遠の別離をする。忠治の涙を見たただ一人の男は、紋次郎となった。

しくじり紋次郎「長脇差奪還」

「悪党のいない道」では、不覚にも紋次郎は長脇差を盗まれる。
関八州取締出役が凶状持ちの渡世人たちを追っているという噂を聞き、紋次郎は寝ずの旅を続け道を急ぐ。一昨日からの寝不足の中、廃屋でつい無防備に眠ってしまう。いつもなら長脇差を抱え壁にもたれて眠るのだが、この日は床板に横になり背後に長脇差を置いた。崩れた壁の穴から誰かが手を差し込み、長脇差を盗み取っていったのである。「長脇差がないと、紋次郎は寒気を感じた。」と記述されている通りの大失態である。
盗んだのは昔、紋次郎の命を狙った音八の女房「おたき」と、その弟である忠蔵。その時の手傷がもとで音八は死んだ。紋次郎が殺したも同然と、七年目の意趣返しをしようとしたのだ。丸腰で日光御成街道を急ぎ、おたきのもとを訪ねる紋次郎。憎い紋次郎が実は、おたきの命の恩人だったという話を忠蔵から聞き、おたきは意趣返しをあきらめる。

「土手を登りながら、紋次郎は長脇差を腰に押し込んだ。いつもの重みが、腰に甦る。歩調も安定して、何か懐かしい自分を取り返したような気がする。」(原作より抜粋)
やはり生涯、頼れるものは己の腕と腰の長脇差しかないようだ。


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Re: しくじり紋次郎「長脇差奪還」

原作者は時々,紋次郎に「縛り」を科しますが,それを取り払い生き延びてゆく姿に野生の動物を重ね併せてしまいます.

そうした生き様から遠ざかった者としては,やはり今でも憧れの存在ですね.

  • 20180318
  • 寅さんのおにいちゃん ♦-
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Re: しくじり紋次郎「長脇差奪還」

寅さんのおにいちゃん、コメントをいただきありがとうございます。

縛り上げられたり、監禁されたり……本当に受難の旅です。
人の一生でそんなことは、普通ありません。
いかにいつも、死と隣り合わせかということですね。
それでも生き抜いているということは、やはり野性的な強靭な生命力でしょう。

私なら、1回でアウトです(笑)。

  • 20180319
  • お夕 ♦wikz35BA
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