紋次郎気質

1972年、一世を風靡した中村敦夫演じる木枯し紋次郎。笹沢氏が生み出した紋次郎とを比較しながら、紋次郎の魅力に迫ります。

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“紋cafe”でいっぷく「線量計が鳴る」

“紋cafe”でいっぷく「線量計が鳴る」

“紋cafe”でいっぷく「線量計が鳴る」
中村敦夫さんの現在のライフワークは、一人朗読芝居「線量計が鳴る」です。ずっと、気にはなっていたのですが、なかなか踏ん切りがつかない状態でした。近くで公演されるのなら……と思っていたのですが、先日とうとうチャンスが巡ってきました。

奈良市での公演です。電車を乗り継いで行くと、2時間ちょっとです。それに奈良市内は結構何回も訪れていますので、(方向音痴の私が言えるセリフではありませんが)少しはたどり着く自信があります。メールでチケットを申し込んだのですが、なんと満席!

“紋cafe”でいっぷく「線量計が鳴る」

会場は「ならまちセンター」。収容席が300席というこじんまりとしたホールということもあるのですが、Eテレでの敦夫さんの出演番組があったということもあり、申し込みが殺到したようです。

ガッカリして、次のご縁を……と思っていたところ、「捨てる神あれば拾う神あり」。まさにその通りで、キャンセルが出ましたので……という知らせが届きました。もちろんすぐに申し込み、職場にもお休みの届を出しその日に備えました。
そして、もう一つ……この朗読劇の台本が書籍化されて出版されていますので、Amazonで取り寄せしっかり予習(笑)。こういう時の行動は、素早いんですね。

読めば読むほど、引き込まれました。本当に私たちは、原発事故について、何も真実を知らされていないんだ、と愕然としました。


当日、小雨が降る中、会場近くの宿泊所に向かいました。会場に一番近く、且つ安いホテルはないか(笑)と探した結果、会場の真ん前の「ホテルサンルート奈良」が見つかりました。
予約を入れましたので安心です。開場時間に行くとすでにたくさんの人でごった返していました。会場に入るとほとんど満席でしたが最前席が空いていましたので、ちゃっかり確保。席を確保してから周囲を見渡すと、ほとんどが私より先輩の方々ばかり……。若いと思える人がほとんどいない!平日ということもあったのでしょうが、原発問題についての関心は若人にはないのかと、暗然たる気分。

朗読劇が始まりました。敦夫さんの登場です。思えば和歌山での「南方熊楠ゼミナール」でのお出会い以来です。ファンとしてはミーハー的な感激一塩ではありましたが、徐々にその演劇内容の深刻さに集中するようになりました。

敦夫さんはやっぱり凄い!信念と反骨精神はいまだ健在!と思いました。一人だけの朗読で、こんなに聴く人たちの心を揺さぶるのか、と思いました。あちこちから拍手が起こり、掛け声がかかるのですから……。敦夫さんの魂から絞り出すようなセリフに、会場の空気が呼応し振幅する瞬間を体感した気がします。

朗読劇が終わり、敦夫さんが挨拶に登壇されました。今回のステージで52回目(私の記憶が確かなら)の舞台だということです。私は正直頭が下がりました。敦夫さんはいつでも本気に信念を貫かれる表現者だと確信しました。

約2時間、敦夫さんは立ち続け演じ続けられました
途中で15分間ほど休憩をとられ後半が始まったのですが、さすがに少しお疲れになったようにお見受けしました。78歳というお齢ですので当然ですが、気迫のこもった魂の叫びには心が震えました。

最後のあいさつの中で、この演劇のウェーブは紋次郎以来だと、少し自虐的に話され笑いを誘っていらっしゃいました。その後、自身の元気の源は「憤り」だとおっしゃっていました。その憤りは個人的なものではなく「公憤」と「義憤」だと話されました。
私はそのとき、敦夫さんに紋次郎を見ました。公憤とは「社会の悪に対して、個人の利害をこえて感じるいきどおり。」、また義憤とは「道義にはずれたことに対して感ずるいきどおり。」とあります。まさに紋次郎の怒りそのものです。やはり紋次郎の精神は、敦夫さんのコアな部分に存在していたのです。


さて公演終了後の話です。メールで「打ち上げ会」があるという情報を得ていましたので、申し込んでいたのですが、どうなるのか少し不安でした。
会場の一階にレストランがあり、そこが会場のようですがどう見ても集まっている方々は本公演の関係者ばかり。場違いの雰囲気に後ずさりし始めたのですが……。集まっておられる方々がみんなすごくアットホームな雰囲気。それに甘えて若干の参加費を払って合流。

しばらく待つと敦夫さんが控え室から会場に来られました。同じ会場に居るということだけで、卒倒ものなのですがそこは何とか堪え、本日成功裏に終わったということに、乾杯!まだ部外者という雰囲気のまま、グラスを掲げました。
立食パーティー形式でしたが、隣の方、向かいの方とお話ししている内に打ち解けてきて、少し勇気が湧いてきた勢いで敦夫さんにコンタクト。酔った勢いもあったかと……(笑)。
「ずっとファンでおりまして…(で、その後、しどろもどろ)」事前に購入していた書籍にサインをしていただき、2ショットで写真を撮っていただきました。

“紋cafe”でいっぷく「線量計が鳴る」

“紋cafe”でいっぷく「線量計が鳴る」

もう思い残すことはありません(但し、今年に限る……笑)。寿命が5年は伸びました。(依って、5年はご苦労をおかけする人がいるやもしれません。まことに相済みません。)

私にとっては、やはり敦夫さんは紋次郎であり、敦夫さんから紋次郎をを切り離すことはできません。
しかし打ち上げ会には、当時紋次郎で一世を風靡したことをご存知ない方もおられ、逆に驚いたりしました。
車椅子の方、袈裟を身にまとった方、アムネスティ関係の方、原発反対の方、人権擁護団体の方……等たくさんの方々とご縁を繋ぎ、この公演が成功裏に終わったということ、本当に良かったと思います。

まだまだ、この舞台は続くと思います。この舞台の会場は、毎回300人規模だと聞いています。それは、商業主義に走らず、原発に危惧する人々の草の根運動に支えられたものであることを良しとしているからだと思います。小さな舞台でも回数を重ね、全国に広げていけば、そのうねりはきっと、ボディーブローのように効いてくると思います。

敦夫さんにはお体に十分留意され、紋次郎スピリッツで舞台に立っていただければ、と切に思います。

(おまけ)

“紋cafe”でいっぷく「線量計が鳴る」

打ち上げの後、おみやげにいただいた「柿の葉寿司」です。おいしかった!見事一人で完食。

“紋cafe”でいっぷく「線量計が鳴る」

翌朝近くを散策。まるで、花札の世界。

“紋cafe”でいっぷく「線量計が鳴る」

立ち寄った元興寺。世界遺産にも登録されています。美しいい本堂・禅室の屋根は、日本最古となる飛鳥時代の瓦。


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Re: “紋cafe”でいっぷく「線量計が鳴る」

お夕様

ごぶさたいたしております。

素晴らしいです!!
この記事を読ませて頂き何とも言えぬ感動に浸って
おります。
政治の世界で孤軍奮闘されておられた姿を思い出します。今は朗読劇で原発問題にご高齢ながら取り組む姿に頭が下がるばかりです。

お夕さんとのツーショット最高に良い感じですね。
このお話を伺って紋次郎=中村敦夫という公式がまぎれもなく正しかったのだと私も納得致しました。

今年一年も大変お世話になりました。どうぞよいお年をお迎えください。また来年も色々な事を教えて頂きますよう宜しくお願い致します。

  • 20181229
  • まさし ♦-
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Re: “紋cafe”でいっぷく「線量計が鳴る」

まさしさま、コメントをいただきありがとうございました。

いつまでも反骨精神をお持ちである、中村敦夫さん!その生き方に、勇気をいただいております。
仏教に帰依され、僧侶にまでなられたときはビックリしましたが、哲学として仏教の教えを体得され、実践されている姿にはブレがなく、信念の人だと感じ入りました。

私も最近、「人間、行きつくところは仏教なのかなあ。」と思うようになりました。

まさしさんには、応援のコメントをいただき、励みになりました。ありがとうございました。
これからもどうぞ、よろしくお願いいたします。

良き新年をお迎えください。

  • 20181230
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: “紋cafe”でいっぷく「線量計が鳴る」

お願いしていた記事なのに読むのが年越してしまいましてスンマソー、よかったですね、敦夫さんとのツーショット、お夕さんの歓喜がドイツまで伝わってきますよー

敦夫さんは素晴らしい人ですねっ、私もぜひこの公演は生きてる間に観るぞーと新たな抱負を抱いてます。

今年もまた奈良でお会いできることを楽しみにしています!

  • 20190104
  • 淡青 ♦TetRpLBQ
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Re: “紋cafe”でいっぷく「線量計が鳴る」

淡青さま、コメントをいただきありがとうございます。
本年もよろしくお付き合いくださいませ。

その節はお世話になりました。お陰様で、予習をしていたので会場へは迷わず行く事ができました。方向音痴の私としては、奇跡的なことです(笑)。

一度は諦めかけたことですが、望みを持ち続けると、夢は叶うんですね。この齢になって、わかりました。
淡青さんにも、この公演は絶対に観てほしいと思っています。

またお会いできる日を楽しみにしています。

  • 20190104
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: “紋cafe”でいっぷく「線量計が鳴る」

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。

良かったですね、念願の再会。
ツーショットも決まってます。

敦夫さんの熱い意志を感じました、益々頑張って欲しいものです。

お夕さんの「紋次郎気質」も増々の発展をお祈りしております。

頑張りましょう、では、又♪

Re: “紋cafe”でいっぷく「線量計が鳴る」

失礼しました、名前を入れ忘れました。

Re: “紋cafe”でいっぷく「線量計が鳴る」

ぶんぶんさま、明けましておめでとうございます。

いつも拙ブログを気にかけていただき、ありがとうございます。

なかなか更新できず、遅々たる歩みでございますが、「継続は力なり」で続けようと思っております。

ぶんぶんさまにとって、幸多き一年でありますよう、お祈り申し上げます。
本年も宜しくお願い致します。

  • 20190105
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: “紋cafe”でいっぷく「線量計が鳴る」

遅れ馳せながら,明けましておめでとうございます.

俳優以外の政治活動も含め,中村敦夫さんにはブレというものがありませんね.すごくシャープでありながら重心が低く,稀有なタイプの人だと思います.

翻って私事を申し上げれば,旧年はかつてのように峠をチャリで越えようというパッションがあまりなく,近場ばかりを走り回った年でした.
また,紋次郎のように峠を上り,雲と空と地の境を走れればと思っています(思っただけの年になるかもしれませんが).

今年もよろしくお願いいたします.

  • 20190106
  • 寅さんのおにいちゃん ♦-
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Re: “紋cafe”でいっぷく「線量計が鳴る」

寅さんのおにいちゃん、コメントをいただきありがとうございます。

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

紋次郎枠だけでなく、生き方にも魅力を感じる敦夫さんです。いつまでも、カッコイイですね。

峠、街道、宿場、旅籠……無条件で反応してしまいます。峠のチャリ越え、また紹介してくださいね。

寅さんとおにいちゃんにとって、ステキな1年でありますように……。

  • 20190106
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: “紋cafe”でいっぷく「線量計が鳴る」

お夕さん

明けましておめでとうございます。
(わたくしこそご挨拶遅れましてすみません。)
本年もよろしくお願い申し上げます。

昨年は、”紋次郎”さんに会われたとのこと。
良かったですね。感動が伝わって参りました。

紋次郎のストイックさは敦夫さんの生き方に
そのまま通じることなのでしょうね。

今年もブログ、写真を拝見できること
楽しみにしております。 いなさ

  • 20190108
  • いなさ ♦-
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Re: “紋cafe”でいっぷく「線量計が鳴る」

いなささま、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

思えば、いなささんより、敦夫さんのテレビ出演情報を教えていただいたことから……でした。
公演の情報を得て、敦夫さんに会うことができたのは、いなささんのおかげです。
本当にありがとうございました。

これからも、よろしくお付き合いくださいませ。

  • 20190108
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: スポンサーサイト“紋cafe”でいっぷく「線量計が鳴る」

ご無沙汰しております。
私の居住する場所のすぐ近くで、敦夫さんの講演があったとは知らず、後悔のほぞを噛んでおります。

さて、先日、昭和17年に書かれた新見南吉の「ごんごろ鐘」を読んで、驚きました。
「紋次郎君」という人物が登場するのです。
紋次郎という人物を生み出したのは、実は笹沢左保よりも先人が居ていたとは。
笹沢さんは、紋次郎という名前を思いついたのは、偶然だったのか、新見南吉の童話が頭にあったのか、知りたいところです。

  • 20190222
  • TOKI ♦nhNJg39g
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Re: Re: Re: Re: Re: スポンサーサイト“紋cafe”でいっぷく「線量計が鳴る」

TOkIさま、コメントをいただきありがとうございます。

お久しぶりでございますが、お元気でお過ごしでしょうか?
こちらは介護疲れで、ちょっと参っております。
なかなか更新もできず、気にはなっているのですが……。でも、コメントをいただけることが励みになっています。
新見南吉の作品に、紋次郎が出てくるんですか。南吉の作品といえば、職業柄「ごんぎつね」が一番思い起こされます。あの話を読むといつも最後、涙ぐんでしまう私です。
南吉の生まれ故郷、愛知県の半田にも昔訪れたことがあります。「ごんぎつね」の舞台となった矢勝川周辺には、彼岸花が植えられていて、物語を彷彿とさせる景色でした。

「紋次郎」の命名ですが、笹沢氏は江戸時代の文献や史料を参考にした……という記憶があります。
敦夫さんは先日お誕生日を迎えられて、79歳になられました。少し背中が丸くなられたかなあ、と思いましたが、益々「峠だけで見た男」の老雲水の佇まいを感じました。
http://kogarashi1940.blog10.fc2.com/blog-entry-306.html

では、御免なすって。

  • 20190225
  • お夕 ♦-
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Re: “紋cafe”でいっぷく「線量計が鳴る」

手前生国は上方のタカへと申しやす。度重なる通りすがりで失礼致しやす。
毎度心揺さぶられる記事を読ませて頂きやして、有難うさんでござんす。今回も御写真、それも御本人様とのツーショットとは恐れいりやした。あっしの様なファンの端くれには、拝ませ頂くのも勿体ねい位でやす。
御本人様も現在81歳の御大ながらの御活躍、恐れいってございやす。「地球発22時」、議院さん時代の事も思い出しやした。あっしも若い頃はアナキストなんて物に憧れてやして…今でも御本人様の御言葉・御意見に心動かされやして…つい思い出してしめいやした。
講演後柿の葉寿司、さぞや美味かった事でしょうね。実は地元に近いあっしの大好物の一品でやす。
それではまた、ごめんなすって。

  • 20211208
  • たかへ ♦-
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Re: “紋cafe”でいっぷく「線量計が鳴る」

たかへさま、コメントをいただきありがとうございます。

休眠中にも関わらず、拙ブログに草鞋を脱いでくだすって、誠にありがとうござんす。
また、こんな古い記事にお言葉をいただき、恐縮しておりやす。

敦夫さんのように、齢を重ねても信念を持ち続けてぇと日々思っておりやすが……。
そのめぇに……手めぇの信念ってぇのは何なんだ?ここから考えねぇといけやせん。情けねぇ話でござんす。

またよろしければ、おいでくだせぇ。
ごめんなすって。

  • 20211208
  • お夕 ♦wikz35BA
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