紋次郎気質

1972年、一世を風靡した中村敦夫演じる木枯し紋次郎。笹沢氏が生み出した紋次郎とを比較しながら、紋次郎の魅力に迫ります。

Articles

日々紋次郎  「黒髪が風に流れて」(前編)

日々紋次郎  「黒髪が風に流れて」(前編)

日々紋次郎「黒髪が風に流れて」(前編)
今回は峠花の小文太の出現はなく、代わりに小文太の兄貴分である「安道寺の沖之助」が、子分を3人連れて紋次郎を追う。小文太がなぜ出現しないのか……吐血して寝込んでいるからである。吐血といえば「労咳」を連想するが、医者の見立てによれば深酒に疲労が重なり、臓器の一部から出血しているとのこと。しかし何となく「死亡フラグ」が立っている。病の渡世人の行く末は、大体予想がつく。

話の始まりは木曽路の説明から入る。紋次郎が歩く街道は様々であるが、中山道が一番多いのではないだろうか。ということで、私も中山道が一番好きな街道である。しかし、街道を歩いて旅をする……というほどの根性も脚力も持ち合わせていないので、もっぱら旧宿場町をウロウロする程度であるが……。

「藪原の富五郎」の住まいに沖之助と子分たちが草鞋を脱ぐ。富五郎一家の者と沖之助との、仁義の所作や口上が続く。当時の仁義を切る様子は、文献として残っているとは思えないので、後年経緯を知る人から口述されたものが資料であろう。天保年間から明治、大正、昭和……とあまり変わりなく仁義の所作は続いてきたようである。
この仁義の記述は、話の展開にはあまり関係がないので、興味のない読者にとっては退屈と感じてしまうのではないだろうか。

この「安道寺の沖之助」は21歳で一家を構え、喧嘩剣法なら負け知らず……人斬り沖之助、安道寺の鬼と恐れられる存在。
「上州長脇差といわれて渡世の道に厳しいことで知られる上州を、まさに代表するように沖之助は渡世上の仁義、作法、修行に厳格である。」(原作より抜粋)
沖之助の、渡世人としての別格ぶりを表したかったのであろう。

日々紋次郎  「黒髪が風に流れて」(前編)

紋次郎の行く先の手がかりは、藪原の職人、七太郎。以前七太郎は、紋次郎に命を助けられている。それが縁で、東木曽路を通ったついでに、紋次郎は七太郎の店をのぞくようになったという。
命を助けた堅気衆に、自ら関わりを持つ紋次郎……少し違和感を覚える。命を助けられたのであれば、義理堅い紋次郎は必ず立ち寄るだろうが、命の恩人という立場で、堅気の店に立ち寄るのか。紋次郎も齢を重ね、人との関わりに想いを寄せるようになったのだろうか。

その七太郎が死んだということを、伊那谷の飯島宿で耳にした紋次郎。噂を聞き、必ず藪原に来ると確信した沖之助。地元の貸元である富五郎に助力を頼み、待ち構える。
予想通り、紋次郎は七太郎の店を訪ねる。七太郎の女房は、藪原小町といわれたお秀。洗い髪を束ね、忙しく立ち働いている。七太郎はお秀の父親の弟子だったが、入り婿状態でお秀と所帯を持った。七太郎亡き後は、お秀の父親が隠居を返上して、また白木細工に精を出している。

紋次郎作品には、何度も「~小町」と呼ばれる美しい女が登場する。小町とまではいかなくても、美形が話に絡む率は高い。そしてどんでん返しにかかわるか、命を落とすことが多い。しかしこのお秀はそのどちらでもなかった。

お秀は、七太郎の墓参りを紋次郎と共に済ました後、鳥居峠の登り口まで見送りに行く。紋次郎が何度も断るのだが聞き入れない。お秀は人の道として、どうしてもついて行くと言い張るので、紋次郎は折れた。

「紋次郎さんとは、もうお目にかかれないんでしょうか」
「あの人が死んじまっては、紋次郎さんにはもう藪原なんて、用がないところですもんね」
「いいんです。紋次郎さんにはもう二度とお目にかかれないんだって、諦めていますから……。でも、いつかはきっとって、わたし待っています」(原作より抜粋)

すべてお秀の言葉である。明らかに、紋次郎>七太郎……七太郎、可哀そうである(笑)。
特に最後のセリフは、まさに主題歌「だれかが風の中で」、そのものではないか。
♪けれども どこかで、おまえは待っていてくれる きっと おまえは 風の中で待っている♪
待っているのは、お秀だったのか。風の中ではなく、霧の中ではあるが……(笑)。


宜しければランキングにご協力をお願いいたします

にほんブログ村 テレビブログ 大河ドラマ・時代劇へ
クリックで投票

トラックバックURL

http://kogarashi1940.blog10.fc2.com/tb.php/432-ad209976

この記事へのトラックバック

この記事へのコメント

Re: 日々紋次郎  「黒髪が風に流れて」(前編)

ご無沙汰でした。複活されていたのですね^^☆今後ともよろしくお願い致します。☆大変でしたね^^。

  • 20220306
  • 荒野鷹虎 ♦-
  • URL
  • 編集 ]
Re: 日々紋次郎  「黒髪が風に流れて」(前編)

鷹虎さま、コメントをいただきありがとうございます。

ご無沙汰しております。お元気でいらっしゃいますか?
ひっそりと再開いたしました。
今後とも、よろしゅうお願いいたします。

  • 20220306
  • お夕 ♦wikz35BA
  • URL
  • 編集 ]
Re: 日々紋次郎  「黒髪が風に流れて」(前編)

今日は、懐かしい声を聴きまして嬉しかったです。本が読めなくなり本分には語りにくくなり失礼しますねー^^。。!

  • 20220309
  • 荒野鷹虎 ♦-
  • URL
  • 編集 ]
Re: 日々紋次郎  「黒髪が風に流れて」(前編)

鷹虎さま、コメントをいただきありがとうございます。

明るい話題が少ない昨今ですが、もうすぐ春!季節は誠実に訪れますよね。
日々、小さきことにも目を向けて、幸せを見つけていきたいと思います。
お元気で。

  • 20220309
  • お夕 ♦wikz35BA
  • URL
  • 編集 ]
コメント投稿フォーム

管理者にだけ表示を許可する

Paging Navigation

Navigations, etc.

About This Website

/