紋次郎気質

1972年、一世を風靡した中村敦夫演じる木枯し紋次郎。笹沢氏が生み出した紋次郎とを比較しながら、紋次郎の魅力に迫ります。

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“紋cafe”でいっぷく「天寧寺『五百羅漢』」

“紋cafe”でいっぷく「天寧寺『五百羅漢』」

“紋cafe”でいっぷく「天寧寺『五百羅漢』」
薄暗い堂宇の中に入る。ひんやりとした体感、湿度を持った空気感と密度の濃い静寂。数えきれない程の視線を感じ見回すと、その答えが私を見つめていた。五百羅漢……堂宇の中心に静々と向かい、改めてゆっくりと視線を移す。しばらくその圧倒的な数と密度に立ち尽くす。

“紋cafe”でいっぷく「天寧寺『五百羅漢』」

一体一体としての存在感と重厚感。それが五百以上の集合体となって、この堂宇内の世界をつくり上げている。

滋賀県彦根市にある「天寧寺」。彦根といえば彦根城に住まう「ひこにゃん」……ではなく「井伊家」の存在である。

関ヶ原の戦いの戦功により井伊直政が18万石の藩主となる。その後脈々と幕閣の中枢を成し続けた井伊家の中で最も有名なのが、幕末に藩主となった直弼である。安政の大獄を発動し、その後桜田門外の変で水戸藩浪士らに暗殺された。まさに激動の幕末大事件であった。

“紋cafe”でいっぷく「天寧寺『五百羅漢』」

*「井伊直弼公供養塔」暗殺されたときの血染めの遺品が埋められているという。

この天寧寺は井伊家のゆかりの寺である。この仏殿に五百羅漢が安置されるには哀しい話がある。

彦根城の二の丸御殿は男子禁制であるのに、奥勤めの腰元「若竹」が子を宿してしまった。若竹は詰問されても決して相手の名を明かさない。不義はゆるされることなく、お手打ちとなる。その後、若竹の相手は直中公の長男である直清(直弼の兄)であったことが判明する。直中公にとっては、若竹と初孫の命を一度に奪ったことになる。直中公は哀れな二人の菩提を弔うため、京の大仏師「駒井朝運」に五百羅漢を彫らせて安置したのである。

“紋cafe”でいっぷく「天寧寺『五百羅漢』」

実際には本尊釈迦如来、十大弟子、十六羅漢と五百羅漢が安置されているので計527体となる。
自分の探し求める人に必ず出会える五百羅漢という伝承がある通り、実に一体一体の表情が豊か。顔の造作だけでなく、姿やポーズもどれ一つ同じ羅漢はいない。

“紋cafe”でいっぷく「天寧寺『五百羅漢』」

*♪ズビズバー♪「左卜全さん」(超超古)

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*「アッと驚く為五郎~」(超古)

生真面目な方からユーモラスな方まで実に多彩。持物もユニークで、動物と戯れている羅漢もいる。

“紋cafe”でいっぷく「天寧寺『五百羅漢』」

*ウサギを抱く羅漢さん

“紋cafe”でいっぷく「天寧寺『五百羅漢』」

*虎をしかる?羅漢さん

“紋cafe”でいっぷく「天寧寺『五百羅漢』」

*怪奇!おなかの中から顔が!!

驚くことに500体の羅漢には、すべて名前がつけられている。
安置されてから約200年……一体も欠けることなく保存されていることにありがたさを感じる。

“紋cafe”でいっぷく「天寧寺『五百羅漢』」

因みにこの仏殿と五百羅漢は、BS時代劇「雲霧仁左衛門2」第4回「生き別れた娘」のロケ地である。仁左衛門の隠れ家という設定で、薄暗い堂宇内の背景に、五百羅漢が映っていた。セットとは違う重厚感が画面から感じられ、印象的だった。

この五百羅漢は200年もの長き間、人の世を見続けてきた。今の世はどう映っているのだろうか。
「人間というものは、いつまで経っても悟りの境地には行きつけないものじゃのう。」
本当にその通りでございます。


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Re: “紋cafe”でいっぷく「天寧寺『五百羅漢』」

お夕さま

大変ご無沙汰をいたまして申し訳ございません。
ブログの再開、心より嬉しく思います。
本当にありがとうございます。久々にのぞいて良かったです。

五百羅漢はあちこちにあるそうですが私の見た近くの寺の羅漢さんの表情も実に面白く何か和やかな気分になれます。

コロナのせいで何もかもおかしな世の中になってしまいました。

登山によく行きますのでこれがストレス発散に大いに役立っています。

くれぐれもご自愛されブログで発信をお続け
されますことを祈っております。

どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

  • 20220625
  • まさし ♦-
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Re: “紋cafe”でいっぷく「天寧寺『五百羅漢』」

まさしさま、コメントをいただきありがとうございます。

お久しぶりでございます。
ひっそり細々と更新していきたいと思っておりますので、忘れた頃においでいただけるとよろしいかと思います(苦笑)。

登山がストレス発散!健康的でいいですね。健脚な方は、紋次郎サンも含めて素敵です。

私は、早朝のウォーキングしかしていませんが、脚から老いるといわれますので続けたいと思っています。

どうぞお達者で……。

  • 20220629
  • お夕 ♦-
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Re: “紋cafe”でいっぷく「天寧寺『五百羅漢』」

心ならず手をかけることになってしまった若竹と初孫に,荘厳な如来像や観音像より,この世で見受ける様々な顔のこの世そのものの羅漢の皆さんに見守って貰いたい,という施主の願いかと勝手に解釈しました.

羅漢の中には,施主自身の魂も紛れ込みやすかったかったでしょうね.

  • 20220925
  • 寅さんのお兄ちゃん ♦-
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教えてやっておくんなせえ

あっしは通りがかりの旅人で偽紋次郎と申しやす。手間をかけてもうしわけござんせんが、この話のタイトルを教えておくんなせえ。
「最後に紋次郎が双子の浪人と斬り合う。息の合う二人を相手に紋次郎がどう戦うかが見どころ」
よろしくおねがいいたしやす。

  • 20221028
  • 偽紋次郎 ♦sSHoJftA
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Re: “紋cafe”でいっぷく「天寧寺『五百羅漢』」

寅さんのお兄ちゃんさま、コメントをいただきありがとうございます。

大変お返事が遅くなりまして、本当に申し訳ございません。

数えきれない羅漢さまや仏さまに囲まれると、様々な想いが交錯し、時間が止まってしまったかのような錯覚に陥ります。
時や空間やそれぞれの祈りが凝縮されたこの堂宇は、曼荼羅と同じようにこの世界、宇宙を表しているようにも思います。

理不尽なことが何かと多い昨今、羅漢さまに「生きる」ことの意味や意義をお尋ねしたいです。

寅さんのお兄ちゃんもお元気でいてくださいね。

  • 20221116
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: “紋cafe”でいっぷく「天寧寺『五百羅漢』」

偽紋次郎さま、コメントをいただきありがとうございます。

お返事が大変遅くなりまして、誠に申し訳ございません。

息の合う二人の敵と対峙するといえば、「木枯しの音に消えた」の稲荷山の仙太、半次兄弟でしょうか。
ただこの二人は双子でななく兄弟ですし、浪人ではなく渡世人ですので、お尋ねのお答えになっているかは自信がございません。
紋次郎シリーズも後半は、印象が薄くて思いつかないのですが、お尋ねのような話があったのかもしれません。
あやふやなことで申し訳ありません。

これに懲りず、また拙ブログに草鞋を脱いでくださいね。

  • 20221116
  • お夕 ♦wikz35BA
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