紋次郎気質

1972年、一世を風靡した中村敦夫演じる木枯し紋次郎。笹沢氏が生み出した紋次郎とを比較しながら、紋次郎の魅力に迫ります。

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紋次郎の影を追う「福井ロケ地 越前海岸」

紋次郎の影を追う「福井ロケ地 越前海岸」

紋次郎の影を追う「福井ロケ地 越前海岸」
*紋次郎が撮影されたロケ地や、原作に出てくる宿場や街道、峠などを紋次郎の影を求めて旅をしました。
「九頭竜に折鶴は散った」の舞台は越前。日本海の荒波、三国湊の色町、九頭竜川、下流に広がる葦原。
という場所がメインです。特にこの回は福井の観光協会の要請もあり、初めて協力という形でタイトルロールに明示されましたので、これはやはり福井に行かねばなりません。

三国湊……響きがいいです。ドラマのお春は「小春」という源氏名で三国で遊女をしているという設定でしたので訪ねました。
三国湊の遊里の格式は日本で5本の指に入ると言われました。北前船が運んできた繁栄をバックにして、遊里は繁栄し、
教養と艶やかさを持ち合わせた格式高い色町を生んだのです。

紋次郎の影を追う「福井ロケ地 越前海岸」
*「三国小女郎」の錦絵

この地で有名なのは「三国小女郎(みくにこじょろう)」と、遊女であり女流俳人でもあった「哥川(かせん)」だと言われています。
「三国小女郎」は、江戸時代の義太夫節や新内で唄われたり芝居になったりして、当時は有名な存在ですが、謎の多い人物だと言われています。また三国小女郎は固有の女性なのか、三国の遊女たちの総称なのかもわからないということです。
俳人としての「哥川」は、加賀の千代をはじめ他国の俳人との交流もあったということで、三国の遊女は高い教養が求められたことがわかります。
ドラマの小春が、当時高級な折紙を使って鶴を折っていたとしても、不思議は無かったのかもしれません。

紋次郎の影を追う「福井ロケ地 越前海岸」

現在の町並みはその華やかな遊郭の面影は、あまり見られませんでした。
資料館の係の方に尋ねると、一軒だけ今も料理屋さんを営んでいらっしゃる老舗があるということでした。
地図を片手に行ったり来たりで、やっと見つけました。
「料理茶屋 魚志楼」と書かれた木の看板を掲げる、風情ある店構えは魅力的で、往時の雰囲気を今も伝えていました。
その日は風が強く寒い一日でしたが、木枯らしに踊る茜色の暖簾が印象的でした。

紋次郎の影を追う「福井ロケ地 越前海岸」

ナレーションで出てきた「東尋坊」「永平寺」は有名な観光地で、バスツアーの行き先としては関西からは定番です。
私も数回訪れたことがあります。
東尋坊の海の眺めは絶景ですが、今回の「紋次郎の影」は小春と歩く砂浜です。
東尋坊は砂浜ではなく断崖絶壁……ロケーションが違います。
ドラマ映像では歩く二人の後方には断崖のような景色は見えていますが、私の遠い昔の記憶では、東尋坊の付近に砂浜があったかどうか……?ということで、東尋坊の手前にある海水浴場を目指しました。

紋次郎の影を追う「福井ロケ地 越前海岸」

さすがに冬の海ですので人は見当たりません。空は冬の曇天、強風に白波、海鳴りだけが響きます。
午前中だったので、ドラマとは時間設定が違いましたが、かなりよく似たロケーションでした。
ただここは高波がよく押し寄せるのか、テトラポッドが設置されており、人工的な風景は否めませんでした。
砂浜がカーブを描きながら広がり、紋次郎とお春が風に煽られながら歩くシーンを思い描いて遠くを眺めると、遠景に崖が黒い影を落としていました。よく似ていましたので、シャッターを押しました。

紋次郎の影を追う「福井ロケ地 越前海岸」
*九頭竜川の下流付近

葦原……ナレーションでは昔、九頭竜川の下流には葦が広がり、そこから芦原と名がついたとのこと。
しかしながら今は、九頭竜川下流付近には葦が申し訳程度に生えているぐらいでした。
とても九頭竜川下流で縦横無尽に長ドスを振り回せる葦原はありませんでした。

紋次郎の影を追う「福井ロケ地 越前海岸」
*冬の水郷

ロケはやはり琵琶湖の水郷付近ではないでしょうか。
ということで、地元の水郷に行きました。
この水郷は昔からよく時代劇に使われていて、「剣客商売」ではお馴染みの場所です。
観光シーズンともなれば、和船がたくさん往き来し、大変風情のあるところです。和船に乗って水郷をめぐると、背の高い葦に視界が遮られ、別世界に入り込む気分になります。喧噪から切り離され、船の水音や水鳥の声だけが聞こえ、心が癒されます。
特に冬の水郷はもの悲しく、紋次郎の世界にはピッタリです。
今までにもブログ内で何枚か写真を掲載しましたが、私のお気に入りの場所です。
いつまでもこの環境が保たれることを願うばかりです。

紋次郎の影を追う「福井ロケ地 越前海岸」

この場所で、紋次郎はお秀を置いて一人立ち去って行ったのだと、私は信じています。(かなり地元びいきですが)

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Re: 紋次郎の影を追う「福井ロケ地 越前海岸」

頭の越前海岸と終わりの写真が特にいいですね。

越前海岸、東尋坊、永平寺は会社の旅行で行きましたが、写真の海は絵にかいたようです。
冬だとこんな日はおおいのでしょうか?

>紋次郎はお秀を置いて一人立ち去って行ったのだと、私は信じています

この写真このアングルは映画のカットみたいです。

遊女は当時教養も要求されたんでしょうかね。
紋次郎の方は教養みたいなものは出てきますか?
そのような機会には恵まれていなかったんでは?

ど素人なりに楽しませていただきました(笑)

  • 20100302
  • 小父さん ♦-
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Re: 紋次郎の影を追う「福井ロケ地 越前海岸」

小父貴さま、コメントをいただきありがとうございます。
たまたま訪れた日が風の強い時だったのでしょうが、冬はやはりこういう景色が多いようです。
私は琵琶湖沿いに住んでいますので、荒れた海の景色は素敵だなあと思います。

紋次郎兄貴の教養の件ですが、頭脳は明晰です。
文字は読めますし、かなりマニアックな知識を披露する場面もあります。
長く旅に身を置いていますので、体験から学習したことが多いのでしょうね。
しかし一番驚くのは、観察力と推理力の鋭さです。
これも、何度も修羅場をくぐったからこそ、研ぎ澄まされた能力だと思います。
時代や境遇が違ったら、どんな人物になっていたんだろうと想像するのも面白いですね。

  • 20100302
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: 紋次郎の影を追う「福井ロケ地 越前海岸」

お邪魔いたしやす。
日本海はあまり馴染みがないですが風情ありますね。
ちょっと恐い気もします。
冬の葦原も素敵です。

Re: 紋次郎の影を追う「福井ロケ地 越前海岸」

桐風庵の兄ぃ、コメントをいただきやしてありがとうござんす。
この水郷の葦原は、毎年3月頃「葦焼き」が行われやす。
葦原一帯を焼くと新芽が出て、新しい命が育まれるということなんで……。
毎年たくさんカメラを携えた方が、おいでになりやす。
春を迎える風物詩でござんすねえ。

  • 20100304
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: 紋次郎の影を追う「福井ロケ地 越前海岸」

お夕さん、こんばんは。いつもながらいい写真ですね。私は日本海は皆生温泉や三朝温泉くらいしか行ったことがなく北陸の海は未知ですが、こういう陰気な厳しい日本海こそ日本らしい景色だと思います。さすが道元が師如浄の戒めを思い出して移住した土地ですね、清貧の土地ですか、雪の葦原の景色もいいですね、侘び寂びというか、日本人ならではの美意識ですよね。紋次郎にも禅的仏教の素養を感じますからあってるんじゃないですか。

Re: 紋次郎の影を追う「福井ロケ地 越前海岸」

八朔さま、コメントをいただきありがとうございます。

福井県より、「越前」と呼ぶ方が何となく風情が伝わりますね。
福井県は教育熱心な土地で、昔からの伝統や風習を継承する気風があるように思いました。

先入観があるのかもしれませんが、
越前の海と聞くと、秋から冬にかけての荒波寄せる海を連想してしまいます。
温泉もたくさんあり、海の幸も豊富ですので、機会があれば足をのばされてはいかがですか。
(福井観光協会からは何ももらってませんが……笑)

  • 20100304
  • お夕 ♦wikz35BA
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おじゃまします。

先日は私のブログ「Mrビーンズのマメマメ日記」http://climber319.blog89.fc2.com/にご訪問下さりありがとうございました。
私は今でこそロッククライミングに魂を売り渡していますが、その昔は日本海の虜になっていました。
越前海岸なんとも響きの良い言葉でしょうか。
しかし正直越前と聞けば越前蟹を連想してしまいます^^;
又お邪魔します。

  • 20100305
  • マメオ ♦mQop/nM.
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Re: 紋次郎の影を追う「福井ロケ地 越前海岸」

マメオさま、早速おいでいただきありがとうございます。

日本海が、お好きだったんですね。また魅力をお教え下さいね。

越前カニ……実は訪問したものの、あまりに高額なため眺めただけでした(涙)。
代わりに近海カニなるものをいただきまして、(北海道のカニだそうで)こちらもなかなかの美味でしたよ。
本当に日本人は、カニが好きですよね。

またよろしければ、おいでください。

  • 20100305
  • お夕 ♦wikz35BA
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Re: 紋次郎の影を追う「福井ロケ地 越前海岸」

はじめまして。僕のブログへのご訪問ありがとうございました。
日本海の荒々しい波が豪快ですね。そして福井の冬の水郷には
情緒がありますね。そして錦絵には独特の味わいがあります。

  • 20100305
  • まー ♦yoFPxMFw
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Re: 紋次郎の影を追う「福井ロケ地 越前海岸」

まーさま、早速のご訪問、コメント ありがとうございます。

この日は本当に風が強く荒波で、「潮の花」がまるで雪のように空中を舞っているのに遭遇しました。
美しくも不思議な光景でした。

「股旅」の荒涼とした映像と、冬の日本海……共通点があるようにも思えました。

またよろしければ、お立ち寄りください。




  • 20100306
  • お夕 ♦wikz35BA
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